Bowl on little boy #2
「おじさん!一さんのところのお子さんなんだけど、何やら大変みたいで!」
「なんだ?」
「母様が熱にうなされて!」
「一さんのところっていうと…ここから1分もしないが…ちょっと待っとれ」
―
「莱病だね…」
「莱病って何ですか?」
「あの蓬莱山にしか咲かない草、莱草を煎じて飲ませないといけないな」
「無いのですか?」
「最近何かが住み着いているみたいでね、採れなくなっているんだよ」
「何がいるんですか?」
「さぁねぇ。わからないが何人も返り討ちになっているんだ」
「母様…」
「保って七日だろうなぁ…」
「そんな…」
「…採ってきます!」
「その身体で…自殺行為だろう」
「大丈夫です!何か守れるものと、攻撃できるものを用意してくれれば!」
―
「いざ行かん!莱草を採りに!」
巨人が跋扈する中、少年が旅に出た。
―
猪口を背負い、針を持って山を登る。
「すでにここに来るまで一日経ってしまった…早く行かなければ」
あらゆる障害を乗り越え、突き進む。
小さな山を越え、湖を猪口に乗って渡り、草場を乗り越える。
「こんな崖…登れるのだろうか…」
蓬莱山は普通の人間でも登ることを躊躇する。
足場の厳しい岩場に野生の動物。
「あなた、何者ですか」
鼠色をした多足の生き物。
「言葉を発さない…人では無いようですね」
針を構える。
無言の鼠色多足は針を守るように身体を丸くする。
その身体は針を通さない。
「一体どうしたら…」




