Ogre slayer of peach #2
食い込んだ刃を途中で止める。
桃妃「どうしたの」
太郎「何かいる」
桃妃は飛び退く。
太郎は桃から刀を抜く。
太郎「桃源流…剣術…祗候乃園」
早業で桃を切り分ける。中から家中に木霊する産声が耳を撫でる。
―
桃妃「この子は一体…」
太郎「わからないが…ただの赤ん坊でないことは確かだな」
桃の中にいた赤ん坊、種を抱えていた。果肉は欠片もなく、ほとんど皮だけであった。
切れた皮は赤ん坊の産声と共に消えていった。
残ったのは赤ん坊と種だけだ。
桃妃「私が産めない体だと知って神様が送ってくれたのかしら」
太郎「そうだな…桃鬼乱で生き残った私たちへのご褒美なのかもしれない…」
桃妃「戦など無ければよかったが、起きてしまったのはしょうがない」
太郎「まだ鬼の脅威が去ったわけではない。この子も桃源流の後継として、私たちの息子として育てよう」
桃妃「桃から生まれたから私とあなたの一文字を取って桃太にしましょう」
太郎「良い名だ。桃太…元気に育ってくれよ」
桃太と名付けられた赤ん坊は桃妃と太郎の指をしっかりと握り、笑ったように見えた。
―
桃太「父様!おはようございます!」
太郎「おお、桃太今日も元気だな」
桃太「今日で5つになります!今日も稽古よろしくお願いします!」
桃妃「桃太。稽古の前にしゃんと朝餉を食べなさいな」
桃太「母様!いただきます!」
―
太郎「それでは稽古をしに行くか」
桃太「今日は何を教えてくださるのですか!」
太郎「桃源流剣術を教えよう」
桃太「ついに剣術ですね!」
太郎「基礎訓練ばかりをさせてきたからな。5つになったんだそろそろ桃源流を教えても問題ないだろう」
桃太「よろしくお願いします!」
その時、村の方から悲鳴が聞こえた。




