第26話 ジシャコウにてwith フレンズ ②
「なーに言ってんだよ、ノブオっち。俺はハタチなんだぜ? 若けりゃ腹も減るんだよ!」
フンッと答える雅親にノブオは火が付いた。
「なんだ! 美希果さんにちゃんと感謝しろよ! お前、どーせゲームしかしてないんだろ!」
「何を言う! 俺はこの家と美希果をちゃんと見守ってんだよ!!!」
険悪な雰囲気でケンカになりかけたところで、ジュンジはどうやって仲裁に入るべきなのかただオロオロしていた。
そのときだ。
「うるさいんじゃ!!! さっさと静かに食え!!!」
今までの美希果からは想像もできないくらい、低く、そして頭と腹に壮大に響き渡るボイスで、その場は一瞬にして静まり返った。
心なしか、雅親は震えている。
静かな朝食を終えると、ジュンジはリュックを取りに二階へ行き、再び下りてくると、美希果がおにぎり弁当を渡してくれた。
「あれ、なんか重い……だいぶ量が多いような?」
渡された包みはずっしりと重い。とても一人では食べきれないだろう。
「それね、ノブオさんと雅ちゃんの分も一緒に入ってるから」
「えっ? ノブオさんと雅親君の分も? あの二人も一緒に行くのかな?」
そのとき、ピンクのビチビチTシャツの上に羽を背負ったノブオがやってきた。
「おぉ待たせたな、ジュンジ!」
「えっ? ノブオさんも行くの? 僕一人で大丈夫だから。疲れてるだろうし、休んでてくださいよ」
「何を言ってんだ! 一人じゃ心配だろ? 任せとけって」
ノブオが謎の男気をのぞかせたとき、雅親がいつの間にかフッとジュンジの横に立った。
「そうだよ。一人じゃ心配だよー。ノブオさんと一緒に見守っててあげるからさ」
ねー、と雅親とノブオは顔を見合わせる。ジュンジは問う。
「さっきのケンカは? あれは……?」
「はっ? ケンカ? なにそれ?? ノブオっち知ってる?」
「うーん、わからんなぁ……」
意気ぴったりの二人に、ジュンジは一瞬、腹が立ったがそれも不思議とぴたりと止んだ。
本当は一人で行くよりも、一緒の方がかなり嬉しいのだ。
「はぁ、しょうがないなぁ。じゃぁ、行きますか! 行ってきまーす!!!」
ジュンジは元気を出して、声を張り上げる。あとの二人も意気ぴったりでそれに続く。
「行ってきまーす!!!」
「フフ、行ってらっしゃい」
美希果に見送られながら、三人は仲良くあのカーブミラーの下へ向かうのだった。




