第25話 大宴会(二) ①
きよちゃんは美希果から道具一式を受け取ると、半紙に絵を描き始めた。
まず、細い筆のようになったアイライナーで目と鼻を描く。
「ここはね、重要なのよ。なりたい顔をしっかりとイメージするの」
そうやって、丁寧にきよちゃんが描いていると、ノブオがジュンジとおそろいのパジャマを着てお風呂から戻ってきた。
皆が静かにきよちゃんのお絵描きを見ている……
異様な空気を察したノブオも音を立てないように注意しながら、一緒になって静かに見守り始めた。
きよちゃんは丁寧でいて、手際よく進めていく。
アイブロウで眉毛を描き、アイシャドウ、チーク……あっという間に女性の顔が描きあがった。
けれど、さっきのきよちゃんの顔とはまた、雰囲気が全く違う。
先ほどは幼さ残る美少女風だったが、この絵はセクシー美女といった感じだ。
「その日の気分とかで変えられるのよ。これを顔に貼って……」
きよちゃんは描きあがった半紙をペタッと顔に貼ると、片手で押さえるようにする。
そして、もう片方の手で、陰陽師がまじないでもするように人差し指と中指を立て、ふんっ、ふんっ、と振ると、最後にその指先にフッと息を吹きかけた。
そうして、顔を押さえていた方の手を放す。
半紙は落ちてこない。
そのまま、皆には顔が見えないようにしながら、どこから出したのか、さっきのツインテールとは別の、つやつやロングヘアーのウィッグをかぶった。
「きよちゃん、どう? 見せて、見せてー!!!」
美希果はウキウキが止められない様子であるが、その他三人はビビっていた。
「いくわよっ!!!」
きよちゃんが振り向いた。
「おぉぉー!!!」
四人は同時に声を上げた。
そこには、セクシー美女の顔があった。ただ、顔のサイズはやっぱり小さい。
「わぁ……きよちゃん、すごいっ!!! いいなぁ、いいなぁー」
「美希果ちゃん、最後にリップも借りるわね」
そう言って、きよちゃんはポーチの中から真っ赤な色を選ぶと、最初からきよちゃんが持っている、あのプルンとした唇に紅を艶っぽく指した。




