第24話 大宴会 ②
「ジュンジ、きよちゃんだよ」
「はっ? きよちゃん?? だって顔が違い過ぎる……」
確かに背が高くて、モデル体型で、13頭身くらいは余裕であるかもしれない。
でも、頭は酒まんじゅうでは決してない。
ただ、あのプルンとした形の良い唇はちょっと……似てる。
「やぁね、ジュンちゃん。きよちゃんに決まってるじゃない。だって、声がきよちゃんだもの」
あっけらかんと美希果は言った。
「やっぱりジュンジにはわからないか、残念。じゃ、ちょっと見てなさい」
少女はおでこに両手の指をかける。手で顔が覆われた。
そして、ズルっと顔の皮がめくれたようになる。
「うっ、うわぁぁ、あっ、はっ……!!!」
ジュンジは腰を抜かし、声を上げる。
美希果、雅親とノブオもおぉっと声を上げ固まった。
彼女の顔からスルンとめくれたのは、一枚の紙だった。ペランと下に落ちる。
そして、ロングのツインテールのウィッグが外された。
「き、きよちゃんだ!!!」
ジュンジは思わず叫んだ。
その顔はプルンとした美しすぎる唇だけがついた、酒まんじゅうだ。
「えっ、すごい!!! きよちゃん、顔がおまんじゅうだったの?」
美希果は興奮している。
雅親はあまりの衝撃的な光景に、ぽかんと口を開けたまま固まっている。
「そうよ。私、酒まんじゅうなの。ちなみに甘さ控えめな、こしあんよ」
自慢げに、やたらときれいな口元できよちゃんは言った。
「えー、どうやるのあのワザ……私もやりたい……」
うっとりと憧れのお師匠さんでも見るように言う美希果に、雅親はビクッとなった。
「さすがに酒まんじゅうのままじゃウロウロできないと思ってね。メイクしてきたのよ。美希果ちゃん、習字用の半紙とメイク道具一式、貸してもらえるかしら?」
「半紙? 確か古いけどあったはず……メイク用品ね、任せて!!!」
美希果はドタドタとどこかへ走って行ってしまった。
「じゃぁ、俺はお風呂もらうかな……」
ノブオは逃げるように立ち去る。
雅親とジュンジは取り残されてしまった。
気まずい……ジュンジは思い切って口火を切った。
「いやぁ、きよちゃん。こっちの世界にも来られるんですね……」
「えぇ。必要があれば時々ね」
「ってことは、今日も何か大切な用があって?」
なんだろう、とジュンジは考える。
もしかして、ちゃんと自動車学校に通うか確かめに来たとか……




