No.43 私怨の仮面戦:4 決着の時が来た 必勝の5連弾
『無垢なる生命』にとりつき、『醜く穢れた私怨の仮面(無垢なる完全体))となったボスと僕は相対していた。
一時期は1vs100だったのが、今は1vs1となっている。
毎回先手をとられていたので、今回は僕が先手をとらせてもらう。
僕は両手を広げて、自分がカッコいいと思うポーズでMPを消費し、魔法を発動させる。
「対戦フィールド展開『バカラ』。」
僕を中心にフィールドが展開されていく。仮面の足元にも届き、ボス部屋全体に広がった。ようこそ、我の世界に....(完全に中二病を発症させていた)
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「バカラ」 フィールド魔法
MP10 クールタイム 10日
最もシンプルに実力が試される世界の始まりだ。
「バカラ」専用フィールドを展開する。
フィールド上にいるすべての存在が対象である。
【9】の数値に最も近い存在以外すべての者にダメージを与える。
ダメージ フィールド展開中に本来与えるべきダメージの合計値
(属性:光)
〈フィールドルール〉
・フィールド上にいるすべての存在にカウントを付与する。
・フィールド上にいるすべての存在はダメージを与えあうことはない。
・ダメージを与える攻撃を相手に当てるとカウント+1される。
・ダメージを与える攻撃を相手から受けるとカウント-1される。
時間:フィールド展開可能時間の3分
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3分間でどちらがカウント【9】に近づけるかどうか競い合う。ダメージを与えればカウントが+1されて、ダメージを受ければ-1される。3分後カウント【9】に近い者以外に、これまでの受けるはずだったダメージを与える魔法だ。この魔法のダメージは、相手から受けたダメージも加算される。簡単に言えば、3分後にカウント勝ちすれば生き残り、負ければ死ぬ。諸刃の剣ような魔法だ。
フィールド展開した瞬間、頭の中にフィールドルールが刻み込まれたような感覚がする。誰にでもフィールドルールを理解できるようにしているのだろう。
僕だけがルールを知っていて勝確定ムーブができる。そんな俗な考えは許さないよと言われている感覚も受けた。勝負は完全にフェアな状態で行われる。
仮面もルールを刻み込まれたようだ。僕と同様に頭の中に刻み込まれるような現象を受けて固まっていた。
互いにルールを理解し行動を始める。
このフィールド上では防御する意味があまりない。
互いに物理攻撃はダメージを与える。魔法に関しては互いにダメージを与えることができない。
おのずと互いの次の行動は決まる。
近距離で物理的な殴り合いでカウントを奪い合う。
お互い本能的に理解していた。
先制攻撃は僕だ。
体格は全く同じなので、短剣分のリーチがある僕が先に攻撃を与えカウント【1】を得る。すぐさま、仮面のパンチが飛んできてカウント【1】を奪われる。
お互いにカウント【1】~【3】をいったりきたりしながら殴り合いを続ける。
時には、攻撃を避けてカウンターでカウントをリードする。時には、脱兎のごとく逃げてカウントをキープしようとする。しかし、ここは限られたボス部屋空間である。すぐに追い詰められて殴り合いを再開させられる。
このままでは、先に疲れが訪れる人間である僕が不利だろう。魔物につかれなんてあるのか分からないし、あいつの本体は仮面だ。疲れなんて感じるのかと疑問に思う。
ジリ貧になって負ける。負けられない戦いの中、思考を巡らせる。
そして僕は1つの勝利のルートを見つけて、仮面がとある行動をするのに賭けて、仮面からの攻撃を受けまくった。
予想通り。仮面はカウント【9】になった時点で攻撃を止めた。
残り時間は1分。
仮面は逃げの姿勢になり僕から少し距離をとる。
仮面の考え的には、僕の攻撃を避けて、もし僕の攻撃受けた場合はカウンターでカウント【9】をキープする。僕のカウントは【0】なので、2、3回カウンターが失敗しても大丈夫なマージンをもっている。リスクを冒す必要もない。そういう考えだろう。
気づいてないな、僕の狙いが残り3秒による逆転だとな。
狙いが気づかれないように、残り3秒まで仮面に殴りかかる動作をする。疲れて限界だよアピールを忘れずにわざと攻撃速度を落とし避けさせる。息を切らし肩で呼吸するのも忘れない。
こうして僕は、最後の攻撃を仕掛ける予定の場所であるボス部屋の角に誘導を行った。
残り10秒、予定の場所に誘導を完了させる。
現在の僕のカウントは【0】、仮面のカウントは【9】。
角に追い詰められたことで少し焦っている仮面は逃げることを止め、臨戦態勢になる。来るなら来い、返り討ちにしてやる。そんな気概を感じた。
すまないね。チェックメイトだ。
僕は魔法「ストレート」を発動させる。殴り合いをする前にも言ったはずだが、僕の魔法は仮面に効かない。だが、これは間違いである。
僕の《《普通》》の魔法は仮面に効かない。これが正しい回答だ。
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「ストレート」 攻撃魔法
MP150 クールタイム 35分
指と指の間に、トランプサイズの5枚のカードをまとめて挟み、それを飛ばして攻撃する。飛ばした瞬間にまとめたカートが分かれ直線状に飛んでいき、5連撃を与える。カードには闇属性が付与される。
使用制限:事前に「ワンペア」「ツーペア」「スリーカード」を使用している。
それぞれにダメージ2000+固定ダメージ1000 (属性:闇)
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固定ダメージならカウントは稼げる。ただ、この魔法には2つの問題があった。
1つ目の問題は、使用制限。これは、ボス戦前に行った検証で3つの魔法を使用しておくことで、制限を解除した。
2つ目は、この魔法は直線にしか投げられない。当てられなければ大量のMPだけ消費する魔法に成り下がる。これについては、相手逃げ場をなくすことで対処した。ボス部屋の角に追い詰めた、今の状態のことね。
魔法「ストレート」を仮面に向かって飛ばす。どこに当たってもダメージになるので一番避けずらいお腹の下に向かって投げる。逃げ場はない。しゃがんでも当たる位置だ。完全に寝転がれば避けることができるが、そんな状態で僕の攻撃は避けられるかね。仮面よ、完全に詰みだ。
仮面に魔法「ストレート」が全弾命中し、3分が終わる。
結果は、僕のカウントが【5】。5連撃を受けてカウントを減らした仮面のカウントが【4】。カウント【9】に近いのは僕だ。
「バカラ」専用フィールドが解除されて仮面に、いや最後なので本名で呼ばせてもらおう。100層のボス魔物『醜く穢れた私怨の仮面(無垢なる完全体)』にこれまでの与えあうべきダメージ合計値の攻撃が降り注ぐ。互いに少なくないSTRを持っていた。18万以上あったHPが一瞬にして0になる。
勝利に喜ぶこともできず、僕はその場に倒れ込む。その後、仰向けに寝そべり拳を握り勝利を喜んだ。ただ、その拳を上にあげることができなかったけどね。
締まらないが、これにて『秘密:百戦錬磨の仮面』の最終階層ボス討伐を完了した。その場に残されたものは、僕の頭の中に響くレベルアップ音と虹色の宝箱だけだった。




