↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/54

No.32 勝負!グラビティゴーレム


 僕は500回ほど【2の目】を出して、元のステータスを50倍まで強化した。終盤はダイスの目をある程度コントロールできるようになったのでステータス育成のスピードが加速した。


 僕のSTRは2,100でグラビティゴーレムのDEFは7,200。物理で殴ってもダメージ1も与えられない。

 魔法攻撃も同様に、装備の数値を合わせても僕のINTは1,303でグラビティゴーレムのRESは3,400であるためにこちらでもダメージが与えられない。

 それに僕の持っている魔法は、弱点属性ならダメージ10加算される「ワンペア」、どちらかの攻撃が当たるまで自身と相手すべてのSTRとINTを2倍にする「レイズ」のみだ。「レイズ」で2倍にしてもグラビティゴーレムのステータスの暴力には届かないから半分終わっている。


 ただ、スキル「コイントス」を使ってグラビティゴーレムのステータスを半減させることはできれば、チャンスもあるけどね。


 この世界は数値がすべてなのだ。

 相手より高ければダメージを負わないし、低ければ為すすべなくやられてしまうのだ。だからこそ、ダンジョン側も様々な面で配慮してくれていると思う。通常ならHPが0になれば死ぬし、ダンジョンのボスからも簡単には逃げられない。それに誰でも魔物のステータスを確認できるのもその配慮の一部なんだろうと考えられる。

 このダンジョンでは、「秘密の試練:逃」の所為で逃げられなくなっているけど.....




 グラビティゴーレムが動き出す。本体は浮遊したままその場にとどまっているのだが、何かしらの魔法を使用したようだ。本体の周囲の地面からいくつもの土の塊が生えてくる。大きさは本体より小さい。本体の大きさは遠くにいるので正確には分からないが3~5メートルぐらいだろう。生まれた土の塊は、土の塊同士でくっつき始めゴツゴツとした見た目になりながら大きくなっている。僕より大きくなっているので、当たれば一撃でぺしゃんこ潰れる思う。


 大きな土の塊、いや多分「岩石生成」で作り出した岩石は8つ程できあがり、本体を守るように浮いている。


 僕は大体予測がついた。グラビティゴーレムの戦闘方法はあの浮いている岩石を操って戦うのだろう。あれを潜り抜けて本体に攻撃するのがコイツの本来の攻略方法だ。まぁ、僕はそんなことしないんですけどね。


 グラビティゴーレムは岩石を3つ残して、5つを僕の方に飛ばしてくる。大きさのわりになかなかの速度で飛んでくる。僕は全力で走って避ける。僕の走っている先を予測して5つの岩石を操って攻撃してくるので、四方八方に走り回り避ける。本体の方に近づくと残り3つの岩石も攻撃に参加しそうな雰囲気を出してきたので、本体から離れた位置で岩石と追いかけっこをした。育成でAGIが高くなったので、かろうじて岩石を避け続けることができている。一撃でも当たれば即死なのだ。見た目からして僕のDEFより高い威力を持っている。あれ?魔法で作ったの岩石だからRESが参照されるのかな。まぁそこら辺はどうでもいい。一撃もらえば終わりってことを分かっていればいい。


 逃げながらも思考する余裕ができてきたので、そろそろ僕も攻撃することにしよう。やるのは簡単、ステータス育成ゲームでおなじみ「ダイスロール」である。グラビティゴーレムのHP1,000を見た瞬間に思いついたよ。たった10回【1の目】を出せば勝てるのだ。【1の目】は固定ダメージ100である。

 今まで何回「ダイスロール」使ったと思ってんだ。1,000回以上から数えてないんだぞ。おかげで、ある程度ダイスの出目をコントロールできるようになったけどな。

 ただ、これには問題がある。その出目コントロールって落ち着いた状態じゃないとできないんだよな。こんな戦闘中なんて以ての外だ。まぁ、100回やれば出ると思う。

 たった100回、なんて少ない回数だ。

 この時の僕は、「ダイスロール」のやりすぎで精神的に壊れていた。同じ作業を何時間も繰り返すことはあまりオススメしない。僕の場合は生き残る使命と「ポーカーフェイス」の精神的な補助のおかげで何とかなっている。


 走りながら僕は叫ぶ。


「『ダイスロール』。」


 走っている僕の真上にサイコロが形成される。その時、僕は気づいてしまった。「ダイスロール」のサイコロって僕に追走してくれないことを。

 スキル名を叫んだ場所の真上でサイコロが形成される。完成すればそのまま落下する。この岩石5つをかいくぐって、どうやってサイコロをキャッチしようか。魔物もバカではない。あれに向かって走り出してキャッチすれば、魔物も気づく。あの位置に攻撃をすれば当たるのではないかと。そこまで僕は岩石を避けながら考えて、考えることを放棄した。


 もう、運に任せよう。


 元々、サイコロが勝手に落下して転がって出た目も反映された。ラッキーラビット戦の時もそうだったし、ステータス育成の時に1度だけ試した時も反映された。


 僕は、サイコロを作りながら逃げ回ればいい。少しだけ硬直をくらってしまうが、タイミングをみて使えばいいだけだ。出目の確認ができないことだけが欠点だがどうにかなるだろう。【4の目】だけは出ないでと祈りながら「ダイスロール」を使う。




 グラビティゴーレムの岩石から逃げ回りながら「ダイスロール」を15回使った。出目は2回ほど確認ができた。

 その時は【1】と【6】だった。

 幸い、【4の目】は出ていない。アンラッキーなことが1回もおきてないからな。ただ現在のHPが1なんだが、これは些細な問題だろう。どうせ一発もらえば終わりだし。


 途中、グラビティゴーレムの攻撃が激しくなったときは終わりかと思ったよ。

 魔法の「岩石爆破」で、攻撃してきた岩石が壁に刺さって爆破したんだ。不意を突かれたせいで完全に避けきることができなく、頬に掠ったんだよ。これだけでHP0になって焦ってしまった。その後【5の目】のおかげでHP1に戻って安心したんだけどね。

 それに、グラビティゴーレムの岩石に一度だけサイコロをお手玉された。あのサイコロ、魔物も触れられるんだって初めて知ったよ。地面に落ちて転がらないとスキルが発動しないから、一応用心しておこうと思ったよ。いくつかサイコロ出したところでグラビティゴーレムも対応できなくなってサイコロ捨てたのには笑った。5つ回収されてた中の3つで【1の目】が出てパーティーだったよ。今回は運がいいらしい。


 これが決め手となって、グラビティゴーレムの残りHPは300になっている。

 あと3回【1の目】を出せば倒せる。

 そう思っていた時、グラビティゴーレムの本体が黒と赤が混じったオーラを纏い始めた。グラビティゴーレムのステータスを見ると、先ほどの残りMPから3,000ほど減っている。

 僕はそれを見て必殺技がくると思い、態勢を整える。


 しかし、僕には何も攻撃をしてこなかった。

 ただ、グラビティゴーレムのその姿を見て、第二ラウンドのゴングの音を聞いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。