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No.29 秘密基地のその先は.....



『秘密:百戦錬磨の仮面、54階層に転移しました。』



『秘密:百戦錬磨の仮面は、特別なダンジョンです。ルールが定義されます。』



『1.ダンジョン内の【脱出用転移陣】を破棄

 2.1階層、最終階層に【脱出ゲート】を設置

 3.ダンジョン内の魔物数を100体に固定     』



 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


 どうやら僕は、ダンジョンに飛ばされたようだ。子供の頃に秘密基地として使っていた小屋が、知らない間にダンジョンに変化している。

 いつ頃にダンジョン化したのだろう。

 アキラ自身は僕と離れ離《ばな》れになってから、県外の中学校に通うために近くのマンションを借りて生活していたようだ。レンゲも同様にアキラと一緒にマンションに居候していた。アキラの両親は忙しかったためにアキラについて行かず、ミエばあちゃんが一緒に来たと聞いた。

 その間、秘密基地のある裏山は両親がアキラにプレゼントした『遊び場』だったので、当時のアキラが何かを言って誰も入れないようにしていたのであろう。小学生のアキラがわがまま王子様だったからな。容易に予測できる。


 長い間、誰も近づかなかったので秘密基地の小屋がダンジョンに変化したのを知らなかった。アキラ本人だって事前に確認することもしなかった。今回、僕が開ける権利をアキラに譲ってもらったことで約8年ぶりに小屋が開けられて、今の状況になったみたいだ。



 なぜ僕がダンジョン内なのに、ゆっくり考え事ができているのかというと、今いる場所がダンジョンの最終階層のボス門前のセーフティーゾーンと似ているからだ。魔物も現れていないので、周囲の警戒をしつつ現在の状況確認をしていた。



 まず始めに『秘密:百戦錬磨の仮面』という名前のダンジョンについてだ。当然、僕には心当たりなく知らない名前のダンジョンだった。きっと、新規ダンジョンなのだろう。


 次にダンジョンランクについてだ。

 ここは、特別なルールがあるダンジョンになっている。

 政府が決めた『ダンジョンランク基準』に沿うと、【S】ランクダンジョン。


 Sランクダンジョン!?⁉


 Eランクダンジョンにも、まだ入っていないのにいきなりSランクかよ。無理じゃね。それに今いる場所はスキル「シャッフル」の所為で54階層。Aランクダンジョンは50階層までしかない。最低でもここはAランク以上の魔物が現れるはずだ。そうなると、現在のHPだと魔物に一撃でも貰えば、HPバリアがあっても即死してしまうだろう。


 進むのは無しだ。帰ろう。そんで、冒険者協会に報告しよう。



 そう思い、僕は後ろを振り返る。後ろを見るとは53階層に繋がる階段がある。僕にとっては「シャッフル」の効果で、現在このダンジョンの出口になってる。

 アキラがいきなり消えた僕を心配しながら待っているはずなので、僕は階段の方に向かって歩き出す。


 そうして、階段の目の前で見えない壁にぶつかる。


『不正なダンジョンの脱出を検知しました。ダンジョンのルールに従ってください』


 ええ?脱出できないの?


 ルールに『スキルの力で脱出してはいけない』って表示されてないじゃん。

 なんでダメなんだよ。

 あぁ、これか『2.1階層、最終階層に【脱出可能ゲート】を設置』が関与しているのか。1階or最終階層でしか脱出できないよって意味かよ。


 詰んだ。


 僕は、54階層を踏破しなくてはいけないらしい。

 54階層踏破ができても「〇〇分の2」の確率を当てないとダメらしい。

 最低でも「54分の2」なんだよ。見渡す限り現在いる54階層に【脱出ゲート】は見当たらないので、ここは最終階層じゃないと思う。それに、54って切りが悪いからな。他のダンジョンみたいに5の倍数のどれかが最終階層だろうね。きっと....

 


 見てくれ僕のステータスを、1つのステータス以外はEランクが適正なんだよ。それに、今日は普段着なんだよ。ダンジョン潜る予定なかったし...武器もない。

 どう見たって詰んでるから。


 ♡♡♡♡♡♡


 名前:錦戸《ニシキド》 翔《カケル》

 職業:ギャンブラー(補正:初期LUK+2×10)

 Lv:21

〈ステータス〉

 HP:63/63

 MP:42/42


 STR:42

 DEF:26

 INT:26+3(29)

 RES:42

 AGI:63+5(68)

 DEX:63

 LUK:483


〈スキル〉

「ダイスロール」「コイントス」「ポーカーフェイス」

「シャッフル」「ガチャ」

〈魔法〉

「ワンペア」「レイズ」

〈装備〉

 武器:

 防具:兎型の片耳イヤリング(頭) INT+3

    瞬兎足《しゅんとそく》(足) AGI+5

   

   なんの特徴もない普段着

〈アクセサリー〉

 大罪の指輪【強欲】

 (呪い:装備固定) 

 「共鳴」New  効果:初期LUK+10→初期LUK×10に変更


 ♡♡♡♡♡♡


 このステータスでどうしろって言うんだよ。

 お気に入りのイアリング、普段生活を楽にするために履いている靴。この2つだけでも微力ながら助かるが、Aランク以上の魔物に対しては無力である。


 マジでどうしようか。アキラが僕がなかなか出てこないからと救助を呼んでくれると信じて待つかな。でも、ここは54階層。Aランク以上の冒険者でも苦戦する場所だ。救助は期待できないなぁ。



 よし、そろそろ腹を決めて行動しますか。餓死するのだけは避けたいからなぁ。



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