No.28 林道家へお邪魔します。
やってきました。林道家。
久々に来たけど、デカすぎるよ。
林道家は、代々農業で生計を立ててきた家計だ。それ故に、土地も滅茶苦茶持っている。山もいくつも所有しており、東京ドーム何個分だよっと言いたいレベルだった。
ダンジョンが生成され始めた頃に、事業は一変した。広大な土地を持っていたために2つ程、林道家の敷地内にダンジョンができたのだ。現在は、どちらもBランクダンジョンとして認定されており、入場を制限して一般開放しているようだ。そのダンジョンで得られる利益と昔からやっている農業で日本有数の企業になったそうだ。
僕達は小さい頃、その林道家の本家の真裏にある山を秘密基地に改造して遊んでいた。
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立派な門の近くにあるインターフォンを押す。
「どちら様ですか。」
「錦戸カケルです。アキラに呼ばれたんで来ました。」
「カケル様ですか。懐かしゅうお名前でございます。今迎えに行きますね。」
少しして、先ほどの声の人が迎えに来た。
「お久しぶりでございます。大きくなられましたねカケル様。」
「様って止めてよっていつも言ってるでしょ。ミエばあちゃん。」
「あなた様だけですよ、私をミエばあちゃんと呼ぶのは。懐かしい響きです。」
迎えに来てくれた人は、アキラの教育係だったお婆ちゃん。アキラは嫌っていたけど、僕にとってはお菓子をくれる良い婆ちゃんだったのでよく覚えている。
「まだ、ここに居たんだ。」
「えぇ、まだ夫が林道家にお世話になっておりますので。」
「よかったよ。知ってる人が迎えに来てくれて。」
「アキラ坊ちゃんから話を聞いておりましたので、お迎えできました。案内します。」
「よろしく、ミエばあちゃん。」
ミエばあちゃんの案内の元、10分近くかけてアキラの居る本家に辿り着く。途中、これまでにあったことを話ながら、ミエばあちゃんの車運転で進んだ。お迎え早かったなと思っていると、僕が来るのが分かっていたので待機しておりましたと、質問する前に返事をもらってしまった。昔から察しが良すぎるよ、ミエばあちゃん。
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本家に着いてアキラの元に行く前に、アキラの両親に挨拶し行く。
泊まっていっても良いのよと、アキラ母から挨拶の際に言われたが固辞して置く。代わりに、夕食を一緒に取ることを約束されたけどね。ここの飯の時間、昔から堅苦しくて苦手なんだよな。いつも、レンゲと夕食前に逃げ帰っていたのに.....
そんなこんなして、アキラと再開する。
再開した大人のアキラは、昔と変わらず小さかった。身長161cm。顔はイケメンになっているのに、そのアンバランスさで台無しな感じだった。元々、私服がダサいのでその補正がマイナスに作用しているのが大きな問題だったりする。
「相変わらずダサいな。その恰好。」
「再開一番で、それかよ。俺は最高に似合っている格好だと思うよ。」
「友達出来たのか?その恰好で。」
「できるわけねぇだろ。友達なんでクソだよ。誰も理解してくれないし、金の亡者しか集まらねえ。」
「彼女は?」
「許嫁がいるから、作る必要はない。全然顔を見せに来てくれないが....」
「その恰好の所為だろ。僕、君の隣歩きたくないし。許嫁の方もそうだろ。」
「そうなのか!?身長の所為だと思ってた。」
「その所為でもあるかもな。それより、なんでいきなり恋愛相談してんだろう。」
「お前が始めた物語だろ。」
「えぇっと。動画に合ったセリフだな。僕、元ネタ知らないんだけど...」
「なぜ、FFをやってない。貸してやっただろ。」
「すまん。興味がなかった。」
僕達が出会えば、こんな感じに無駄話が無限に続く。分かる通り、アキラはゲーム大好き人間だ。ついでにアニメや漫画など様々なものに手を出している。僕も最初は付き合っていたが、手を出してるもの量が多すぎて、次第に付き合いきれなくなったので止めた。それでも、アキラは僕を拒絶しなかった。僕が何に興味を持つのか分からないからと、逆にいろいろなものを勧めてきた。変な奴だけど、僕はアキラの事を友達だと思っている。
ミエばあちゃんがお茶を持ってきてくれたことで、一旦、無限に続く無駄話が終わる。互いにお茶を飲み、落ち着いたところで今回来た目的の話し合いになった。
「なぁ。秘密基地のある山で何やる予定なの。」
「壊した後の話か。クリエイティブスタジオを作るつもりだ。」
「なにそれ。」
「ゲーム、漫画、アニメ、動画などのジャンルの依頼を受注して、作成・販売・補助のような役割の会社を作る。ここは農家が多い。機械化が進み一時期の間、暇になる労働者がいるんだ。そいつらの小遣い稼ぎの会社だな。」
「簡単にいくのか?」
「まだ予定だよ。本格的に動くにも人材が見つからないからな。」
「当分先になりそうな計画だな。それで、秘密基地を壊すのか。」
「早めに、土地を確保しておかないといけないからな。
俺が自由に使える土地がここだけなんだよ。それで、丁度いい場所に秘密基地がある。理由は、あそこは元々あの山を管理する小屋だったから立地がいい。」
「まぁ、あそこは見晴らしもいいし、全然《《秘密》》基地っぽくなかったけどな。」
「そんなところだ。そろそろ見に行くか。」
こうして、僕たちは2人で懐かしの秘密基地に訪れる。
家から出て数分もすれば、例の小屋が見えてくる。
2人で駆け寄り、アキラは僕に小屋を開ける権利をくれた。
鍵は掛かっていなかったが、少しドアが歪んでいたので強く扉を押し込んだ。
本来なら引き戸になっているはずだが、昔レンゲが扉を壊してしまい、子どもながら扉を頑張って付けて直した結果、逆向きについてしまっていたのでこの扉は押し戸だ。
扉を押して入ったが故に、僕の体は小屋の中に自動的に吸い込まれる。
そして、僕の体は強制転移の光を纏い、見知らぬ場所に飛んで行った。




