No.27 懐かしの友人からの電話
Eランク試験を終えて、晴れてEランクに上がった僕は、ひと時の休暇を楽しんでいた。まあ元々、冒険者は自由業なので何時でも自由に休みが取れるんですけどね。
現在は、実家の自分の部屋でダラダラと惰眠を貪りつくしていた。頑張った反動だろう。そう思いつつ、母の買い物に付き合ってみたり、父とお酒を飲みかわし酔っぱらって倒れたりと家族サービスを勤しんでいた。
ある日の夜、家の電話が鳴った。
父はお風呂に入っており、母は夕食後の片づけをしている。
母に電話をとってと言われ、電話を取る。
その電話の主は懐かしき友人からだった。
「もしもし、錦戸です。どちら様ですか。」
「林道です。カケルのお父様ですか。」
「その声は、アキラか。父さんじゃなくて、カケルだよ。」
「あぁマジか。すまんすまん。」
「誰に用事なんだ。」
「カケルだよ。久しぶりだな。5年ぶりぐらいか?」
「久しぶり。中学卒業以来だな。」
「今時間大丈夫か。」
「大丈夫だ。あっそうだ。携帯の連絡先教えるわ。そっちに掛け直して。」
「おっけー。」
携帯の番号を教えて、家の電話を切る。時間的には問題はないが、長話になると両親が困るかもしれないからな。久しぶりだったから、落ち着いて話したかった。
母にアキラからの電話だったことを伝え、部屋に戻る。
少しすると、ポケットに入れていたスマホが鳴りだしたので電話出た。
「カケルでいいか。」
「そっちはアキラだな。」
布団の上に寝転がりながら、会話をする。
「いきなり電話かけてきてどうしたんだ。驚いたよ。」
「それについては、順に追って話すよ。子供のころ俺達が作った秘密基地覚えているか。」
「覚えているよ。アキラの実家の裏の小屋使って、僕とお前とレンゲと一緒に作った奴だろ。」
「そうだな。その秘密基地壊そうと思ってるんだ。俺達の思い出が詰まってるから一応、連絡したってわけよ。」
「そーいうことか。それならレンゲにも連絡するんだな。」
「もうしたよ。お前と違って連絡先知ってたから、すぐ連絡着いたよ。」
「レンゲって今何してるか知ってるのか。」
「お前何も知らないんだな。レンゲは今海外にいるぞ。」
「マジで!?」
「そうマジ。あいつは昔から頭良かったからな。今海外で会社起こして働いてるよ。」
「すげえ存在になったな。お前は今何やってんの。」
「俺か?俺は大学通いながら親の会社を継ぐ準備をしてるよ。それで、手始めに家の裏の敷地使って、金稼いでみろって課題を貰ってんだ。」
「それで、秘密基地に繋がるんだな。レンゲは壊していいって言ったのか?」
「許可貰ったよ。最後に写真送ってくれってさ。それで十分だって。」
「カケル今実家にいるんだろ。今は、何やってんだ。働いてんだろ。」
「....あぁ今は....冒険者やってる。覚醒者になっちゃったんだ。」
「www。冒険者やってんのか。しかも覚醒者か。面白い人生歩んでんな。」
「勤めてた会社が倒産して、ニート。いきなり覚醒者になって冒険者だ。」
「そりゃ大変だったな。」
「今ランクは。」
「Eランクになったばかりだ。それにさ、試験でレンと会ったんだよ。すごくないか。」
「レンって。藍沢レンか。あの本好き一人ぼっちのレンか。」
「そうだよ。あったとき容姿が変わりすぎててビビったよ。綺麗だった。」
「っおお、ホレたか。」
「茶化すな。」
「覚醒者になったんなら、どんな職業に就いたんだ。確か、ユニーク職業になるんだよな。」
「ギャンブラーだよ。」
「はい?」
「ギャンブラーって職業に就いたんだよ。災難だったよ。」
電話越しに笑い声が聞こえる。
アキラが落ち着いたところで他にも様々な話をした。会えなかった間のことについて、たくさん話をした。
そろそろ、アキラとレンゲについて話しておいた方が良い思う。
アキラ。本名は林道昌という名前だ。会話を聞いていれば分かると思うが、林道財閥の御曹司だな。金持ちの息子だ。親の方針で、普通の小学校に入れられて僕と出会った。それで、なんか意気投合して秘密基地を作って遊ぶ仲になったよ。中学からは良く分からない名門の中学校に行ってしまい、それっきりの関係だった。
次にレンゲ。本名は南条蓮華。当時のクラスで一番頭が良く、常に一番だった少年だった。アキラ繋がりで仲良くなって一緒に遊んでいた。中学は、アキラと同じところに行ったので、そのまま会うことはなかった。
アキラから聞いた話だと、名門の中学校から来てほしいと推薦されたみたいだった。それで、貧乏だった南条家を林道家が支援していたみたいだった。その後は、その中学校でもレンゲの才能は収まらず、海外に留学。そのまま飛び級しまくって、現在は海外の会社で働いているみたい。
僕の人生と次元が違うぞ、レンゲ。
僕は、すごい人と小さい頃過ごしていたのだなと実感していた。
「それでさ。秘密基地壊すんだけど。暇だったら一度見に来るか。」
その問いに、僕は行くと答える。この秘密基地が僕に災難を与えると知らずに....




