No.25 Eランク試験編:9 宝箱は誰の手に。
さて、僕は集合をかける。すでにパーティーメンバーは金の宝箱の前にいるので意味ないけどね。
「金の宝箱がでた。僕のスキルでね。なので僕が開けます。異論はないよね。」
今世紀一番のキメ顔で僕は語った。
「異論しかないよ。私が開けたい。」
「自慢ができるので、私も開けていです。」
「先輩。私に開けさせて。」
「.....異論ある。」
異論しかなかった。そうだよね。みんな開けたいよね。はあ。
「では、公平にじゃんけんで決めましょう。いいですね。」
「カケル君。今日、君勝手な行動したよね。約束破ったよね。ねえ。」
「そうですね。」
「そうだね。」
「うん。」
「それでは、カケル君が約束破った罰として、カケル君が宝箱を開ける権利を剥奪したいと思います。異論がある人はいますか。」
「「「ないで「異論あるからな。」
「いやあ、異論ありますぅ。」
「異論.....」
「ないです。」
彼女たちの目、マジだったよ。女の子怖い。
僕は、宝箱から少し離れて、しゃがんで、地面に『の』の字を書く。分かりやすいへこんでいるポーズだ。これで...
彼女達はそんな僕に目をくれることもなく、誰が開けるか話し合っていたよ。
試験終了の時間が迫っているので、僕はなかなか決められない彼女達に向かってボソッと呟いた。
「もう。皆で開ければいいじゃん。」
やけくそ気味に呟いたよ。彼女達は耳がいいらしい。
僕の呟きに対して、
「それもそうね。」
「それが無難でしょう。」
「仕方ないですね。」
「いい。」
誰が開けるか争っていたのに、一瞬で意見が一致した。
「それなら、僕も一緒に開けて「「「「それは駄目」」」」
最後の希望が絶たれた。一人くらい「良いよ」って言ってほしかったよ。
☆☆☆☆☆☆
「それでは金の宝箱を開けていきたいと思います。開けるのは私、レンと。」
「サエカと。」
「ミライと。」
「カコ。」
皆、決めポーズをしてコントをやっていた。きら~ん。って聞こえた気がするよ。
可愛かったから、もういいよ。これが僕の報酬だよ。スマホで写真撮ったよ。
僕って冴えてるぅ。隠し撮りだからばれないようにしないと。
そんで、僕を除き、金の宝箱が彼女たちの手によって開けられた。
「せーの。オープン。」そんな掛け声だったよ。混ざりたかったよ。
「.....指輪?」
「指輪ですね。」
「7つもあるよ。」
「【アナライズ】。」
「カコ、ずるい。私も見る。」
出たのは指輪らしい。他の人がそれを見つめている隙に、カコが1つの指輪を手に取って調べたらしい。その行動に対して、姉が文句言ってるみたいだ。
僕には、指輪なんで見えるはずもないので、ちょっと話に混ざれなくて寂しい。後で見せてくれるかな。見せてくれるよね。そんな不安が僕の中に渦巻いていた。
「....すごい。みて。」
「ホントだ。それぞれ種類が違うんだね」
「金の宝箱からは、このようなものだ出るんですね。」
「こっちの指輪も見て。」
そんなやり取りを僕は外野から見守っていたよ。
少しして、レンが1つの指輪を持って僕に渡してくれた。
忘れられてなくて安心したよ。
「見てみて。説明欄。装備するのはちょっと待った方がいいかも。」
渡された指輪を手に持って、【アナライズ】を掛けてみる。
指輪は、片方がシンプルな形のシルバー色のリングだった。リングの外側の中央部分に、何語か分からないが文字みたいなものが隙間なく書かれていおり、それでも空いている隙間が削られていて、触ってみると少しざらざらしていた。
♢♢♢♢♢
名称:大罪の指輪【憤怒】
ランク:イボルブ《evolve》
装備枠:アクセサリー
かつて存在した生物は、ありとあらゆるものを破壊した。怒りに我を忘れることを代償に破壊の力を手に入れた。後に封印され、その生物の力の一部がこの指輪に詰まっている。
初期STR:+1~10 (数値はランダムに決まる)
【憤怒】以外の大罪装備が装備できなくなる。
【呪い:装備固定】
♢♢♢♢♢
あの有名な大罪を模した大罪装備らしい。
説明欄にある呪い。僕は、この中の誰よりも呪いの怖さを知っている。〈ダンジョン脱出不可〉これも一種の呪いに分類されるだろう。
軽く見た感じ、力を得る代わりに外すことができない装備になるらしい。
装備してしまっても、アクセサリーの分類なので、そこがまだ安心できる部分だった。
今の時間15時54分。試験が終わっちゃう。
とりあえず、残り6つの指輪を彼女達から預かる。誰も装備していなかったことはよかったと思う。指輪をすべてポケットに入れて、彼女達を引き連れて、転移陣に走った。
なんか、いろいろあったけど、楽しめたダンジョンだったよ。
ありがとう。『静寂な夜の遠吠え』ダンジョン。
ありがとう。大きいワンちゃん。また遊ぼうね。




