No.23 Eランク試験編:7 サイド 私の名前は 藍沢 恋
私の名前は、藍沢レン。友達のサエカちゃんに誘われて、冒険者になった。
大学に行って、私は大学デビューをした。
長かった髪をバッサリ切り、今どきの流行りのメッシュを入れる。私の好きな色の赤色である。掛けていた眼鏡をコンタクトに変えて、化粧も雑誌を読んで試して勉強した。
話し方も動画を見て勉強した。ハキハキと声を出す練習をして、ちょっと馬鹿っぽく、ちょっとあざとく生意気に、現代風のギャルっぽく頑張った。
おかげで、本以外のお友達ができた。その日は1人でパーティーをしたよ。あんなにはしゃいだのは初めてだった。
サエカちゃんが彼氏のために冒険者になりたいといったときは、すごく驚いた。1人は嫌だからと誘ってくれたのは嬉しかった。
2人で講義がない日は、ダンジョンに潜った。最初は、協会員の方が『職業』取得のために同行してくれたけどね。
そして、Eランク試験の本日、私にとって一つの転機を迎えた。
中学の同級生だった錦戸カケル君が居たのだ。ドアから入ってきた彼を見て、一瞬でピンッときたよ。
カケル君は、中学校の時に同じ図書委員として活動していた。カケル君は不服そうだったけど、図書室での一緒に受付をしているとき、暇だからとよく話しかけてくれた。当時の私がどう答えていたのが覚えていないけど、1つだけ覚えていることがある。
私は本が好きです。隣で彼は暇そうに受付をやっています。
彼が今日も話しかけてきました。
「いっつも、本読んでるよな。飽きないの。暇だからなんかオススメの本教えてよ。」
私は意を決っして答えました。私の好きな本について、その中で彼にオススメな本について、早口で。声に出すより早く頭の中を回る言葉を制御して話しました。
自分の頬から湯気が立っているような気分で話終えて、後悔しました。
絶対引かれた。
そんな後悔をして、私は彼の顔見るのが怖くて、彼の方を向けませんでした。
「すげー面白かった。今度読んでみるわ。また聞かせてくれよ。」
私は、その日恋をしました。図書館の受付で隣に座る男の子に恋をしました。
でも、物語のような恋物語にはならないでしょう。
私は、自信がないのです。恋をしたのだと心でも辞書で意味を調べても、私には勇気がなかったのです。
普通にしゃべるのが苦手な私を受付で助けてくれる。片付ける本を一緒に運んでくれる。話し相手になってくれる。
その姿を見るだけで、私は幸せでした。
彼とは中学卒業後、そのまま高校が別になり会うことはありませんでした。
終わった恋です。
高校生活はそれを引きずってしまい、たいして楽しめませんでした。
これで、小中高で人間の友達は1人もできませんでした。
☆☆☆☆☆☆
今ここは、Eランク試験の会場です。
隣にはサエカが座っています。
私は、彼を見つけて浮足立っています。
私の事覚えているかな。覚えていないよね。
後日、あの時のレンは表情がコロコロ変わって可愛かったよと笑われました。
試験の説明なんて、正直どうでも良かった。3人以上のパーティーを作ればいい。それだけ覚えていればよかった。
説目が終わった瞬間、私は迷ってしまいました。
当時の弱気な私です。
椅子から立ち上がれません。何故か分からないけど怖いのです。
そのとき、サエカが背中を押してくれました。
背中に触れた手が温かく、すごく心強かったのを覚えています。
自然に彼のもとに行けたのだから.....魔法の手でした。
覚えているかな。覚えてないよね。あの時と違って、髪型も変わって、眼鏡もしていない。女性としての魅力もついている。あの時とは違い、大きくなっているはずだから。
私は魅力的な大人の女性になったんだよ。
彼は、覚えていませんでした。でも、思い出してくれました。
今すごく幸せな気持ちです。
サエカの胸に目がいっているような気がするけど、サエカには彼氏がいるんだよ。サエカは諦めて、私を見て欲しい。最後の言葉は言えませんでした。
彼には恋敵が多すぎるよ。
彼は、試験官の華吹さんに目が囚われている。やっぱり胸か、胸なんだよね。私の方が可愛いよ。こっちを見て欲しい。まだ大きくなるはずだから、ねえ。
それに、双子だ。二人とも私から見ても、可愛いのだ。ぬいぐるみとして欲しいぐらいに可愛いのだ。ダメダメ。この双子も彼を絶対狙っている。女性がいるからとか、男性恐怖症だとか関係ない。絶対に負けない。
双子に関しては、誤解だったもよう。バスの中で一緒におしゃべりしたら、双子のお姉ちゃんのミライちゃんが耳もとで、頑張ってくださいと応援してくれた。いい子だった。
☆☆☆☆☆☆
流れで私が仕切ることになっちゃった。
自分のステータスを見せて、彼の顔色を伺う。表情が動かないから分からないよ。
次にサエカがステータスを見せて、双子の番。
秘密にしてほしいって言っていたけど、覚醒者だったらしい。
すごいね。100万人1人だよ。
初めて見ちゃった。彼がミライちゃんに質問していた時、モヤっとしたけど驚きの方が勝っちゃった。
最後に彼、錦戸カケル君のステータスを見せてもらう。
秘密の共有みたいで、心が躍っていた。
カケル君、覚醒者だったよ。私も覚醒者になってお揃いになりたかった。
茶化しちゃったこと少し後悔している。
それで、カケル君が自分のスキルについて説明してくれたよ。
彼とサエカと話していたけど、チャンスを見て会話に参加したよ。
流れで、下の名前で呼んでもらえるようになっちゃった。しかも呼び捨て。
口角が上がったまま下がらないよ。カケル君の『ポーカーフェイス』のスキルもらえないかな。表情が変わらないのは、このスキルの所為だって、今だけ貸してほしい。
☆☆☆☆☆☆
『シャッフル』マジで嫌い。
一緒にダンジョンデー....いや、ダンジョン冒険できると思ったのに、カケル君いなくなっちゃった。気分は落ち込んでいたけど、サエカに彼が待ってるよ。と言われ私は歩み始める。囚われのカケル君を助けるために、私は出てくるオオカミ型の魔物を倒して進んだ。
15時20分。やっと、5階層に着いた。4人だと少しきつかった。本格的に戦えるのが私だけだったので、大変だった。
カケル君いるかな。5階層のセーフティーゾーンを歩き回る。
端の方で誰かが倒れている。
走って駆け寄る。
ッッ⁉ カケル君。
近寄ってみてみるとそこにいるのはカケル君だった。
『起こさないでください』
そんな紙切れを見つけて、私は安心した。心配したよ。
私は、皆が来るのを待ってから、カケル君を揺さぶる。眠りの姫カケル君を起こすのは私の役目だ。誰にも渡さない。
後で、考えてみればキスするチャンスだった。目覚めのキス。すごくロマンチックだ。立場が逆だったらもっとよかったのに。
カケル君が起きる。背伸びをする。
「おぉー。おはよう。今何時。」
彼は、すごく呑気だった。
最後に、彼の寝顔が見れて私はすごく満足です。
次は....いや、何でもないよ。




