No.22 Eランク試験編:6 転移しました。寂しいです。
『静寂な夜の遠吠え、5階層に転移しました。』
はい。ゴールしました。
もう、出オチが過ぎるぞ、『シャッフル』め。
周りを見渡してみたが、僕のパーティーメンバーは誰もいませんでした。
これで、僕だけが強制転移することが分かった。
ボスに勝手に挑めばパーティーメンバーに怒られるし、戻って他の階層に転移するのもめんどくさいので、ボス門前のセーフティーゾーンで、少し早めの昼食をとることにした。
今日の昼飯は、お弁当屋さんの弁当です。蓋を開けてみると、のり弁だった。温かくはないが、海苔の上に焼き鮭、たまご焼き、ちくわの磯辺揚げ、きんぴらごぼうがのっている。バックから水部補給用に準備していた水を取り出して準備完了。
1人寂しく昼飯を食べる。ダンジョンに潜り始めてから慣れていたはずなのに、何故か寂しさを感じてしまう。のり弁が減るにつれ、寂しさが増していくような気分だった。のり弁はおいしかったよ。
食べ終わって、暇になったのでステータスを開いてパーティーメンバーの状態を確認してみる。グレーになっているので、レンが言ったことが本当だったことを確認することができた。
ボーっとしていると、ふとグレー状態だとパーティーメンバーの情報って更新されるのかなと疑問に思った。
しばらくステータス画面とにらめっこしていたが、まったくもってステータスに変動はなく、これ更新されないなと思いつつ、後で確認しようっと思った。
現在12時32分。自身の腕時計で確認しつつ、周囲を見渡してみる。誰も5階層に来てません。丁度昼時だし、安全な場所で昼食休憩しているでしょうと呑気に考えつつ、来るにしても早すぎるからなと呟いていた。
☆☆☆☆☆☆
暇です。
マジで暇です。
誰も来ません。13時20分です。
もう、暇すぎるのでボスに挑みます。
倒さないでボスと戯れてれば、きっと時間もすぐ過ぎます。
ボスへの門をくぐり、ボスと遊ぶ。そして一定時間、閉まった門に触れ続ければボス戦から脱出できる。掲示板にはそう書いてあった。
事実かどうか検証しよう。暇だし。検証は大事だからな。暇だし。倒さなければいいだけだし。暇だし。パーティーメンバーにばれなければいいんだ。(名案)
その時はよろしくな『ポーカーフェイス』くん。頼りにしているよ。
そして僕は、門を開けて、ボスと戯れに行った。
「ほう。大きいオオカミだな。いい運動になりそうだ。」
そこにいたのは一匹の大きいオオカミだった。
すでにばれているので、ロックオンしてボスのステータスを見た。
♡♡♡♡♡
名前:シャドーウルフ
Lv:15
HP:180/180
MP:24/24
STR:28
DEF:10
INT:30
RES:16
AGI:32
DEX:4
LUK:15
〈スキル〉
「噛みつく」「切り裂く」「分け与える」
〈魔法〉
「シャドーショット」
♡♡♡♡♡
今まで見てきた中で、ダントツでHPが高い。それに他のステータスも高かった。防御方面は強くないので、どっちが先に攻撃を当て続けられるかで勝負が決まるんだろう。
スキルの「分け与える」って誰に分け与えるのだろう。と思いつつ追いかけっこから始めることにした。このステータスじゃダメージくらわないし、ワンちゃん一緒に遊びましょ。
体感10分ぐらい追いかけっこを続けていた。
スキルの「噛みつく」と「切り裂く」、魔法の「シャドーショット」は見ることができた。ワンちゃんはハアハアと息を切らしていて、水分でもあげようかなっと飼い主視点で考えていた時、ワンちゃんが見たことない動作をしはじめた。
全身が真っ黒に染まり、ドロッと溶けるように崩れた。そこには、黒色の水たまりが出来ていた。少しすると水たまりの中から、9匹のオオカミが生まれてきた。大きさはちっちゃくなっていたが。
その瞬間になって、これが「分け与える」のスキルかと実感することになった。
戦闘中邪魔になるので、本来なら「ロックオン」を切っておくのだが、今回は切らずにしておいた。戦う気もなかったから、まあいっか的な感じである。
「分け与える」のスキルが発動してから、ワンちゃんのステータスも一緒に崩れ始めたのを見れたので、過去の自分にナイスと言いつつ「ロックオン」が勝手に解除されるときがあるんだと勉強になった。
9匹のオオカミが襲ってくるので、結構全力で逃げ回った。ついでに「ロックオン」が切れているので、一匹に狙いを定めて「ロックオン」してみた。
そしたら、面白いことになっているではないか。
見たい?見てみる?
悪い。第二形態っぽくて、テンション上がってハイになってるから許してほしい。
♡♡♡♡♡
名前:シャドーウルフ(分体)
Lv:15
HP:20/20
MP:0/0
STR:28
DEF:10
INT:30
RES:16
AGI:32
DEX:4
LUK:15
〈スキル〉
「一撃の誇り」
♡♡♡♡♡
HPが9分の1になってるから他の個体も同じようなステータスなんだろう。
ステータスが第一形態のままの代わりにMPが0になっているのだろう。
第一形態?
僕が名付けた。
スキルの「一撃の誇り」はパッシブスキルで確定だろう。どんなスキルか分からないけど、僕は9匹の小型ワンちゃんと戯れていた。
しばらく遊んで、疲れてきたので門に触れボス部屋から脱出することにした。
当然、ワンちゃんたちは邪魔してくるので片手で門に触れ、もう片手に短剣を握り牽制した。何発かもらった時、HPが減っている感覚がした。
30秒ぐらいかな。門に触れ続けたら、急に門に吸い込まれるたのでその身を任せた。
僕は、ボス部屋を脱出していた。
ふぅー。息を吐きつつ門前に座る。心はニコニコ笑顔になっていた。表情は死んでいる。『ポーカーフェイス』め。
落ち着いてきたので、周りを見渡す。まだ誰も来ていない。
ついでに自身のステータスを見てみた。
そうするとHPが3ほど減っていた。門前の戦闘を頭の中で振り返り、ワンちゃんから3発もらっていたことを思い出す。
あぁ。「一撃の誇り」は固定ダメージ1の攻撃かと考察する。
まだ誰もいない。いい運動もしたし、休憩しよう。
思い立ったら即行動。
門から離れ、ダンジョンの壁に体を預け休憩する。いつ来るかわかんないし、HPもちょっと減っちゃたから寝るか。
バックからメモ帳を取り出し、1枚破る。そこに字を書いてバックの上におく。それが終わったら、横になって目を閉じる。僕の意識は夢の中を新たに冒険し始めた。
『起こさないでください』バックの上に1枚の紙がのっている。
本人は気持ちよさそうに寝ているが、後々来る受験者に心配されることは当然の結果だった。




