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No.19 Eランク試験編:3 パーティー結成

 試験の説明が終わり、今現在僕は頭を抱えている。後ろの席では、ワイワイとにぎやかに声が聞こえる。知らない人とは組みたくないよな。ボッチ確定である。頭を抱えているので、視線は下の机を見ている。前から視線を感じるがそれに対応する余裕は当然ない。(きっと、華吹さんの視線だろう。)

 華吹さんは試験官をしているので、1人でいる僕のことを心配をしているんじゃないかなと思うが、声掛けするのは公平性が失われるので禁止されていると思う。


 どうしよう......

 そんなとき、横から声がかかった。


「あぁー。やっぱり錦戸君だよね。覚えてる?」


 誰だろう。声を掛けられた方を見ると、ショートボブの黒色の髪に赤メッシュがちらほら顔を出している綺麗な女性に話しかけられた。少しボーっと見ていると...


「錦戸君、忘れているね。中学の一緒のクラスだった藍沢《あいざわ》レンだよ。その顔、ホントに覚えてないんだね。」


 藍沢レン...藍沢レン....(ムッとした表情可愛かったなぁ)

 中学の時、そのような名前の人はいるが、あの子は眼鏡を掛けていたはずだ。髪が長くて、1つにまとめていて、休み時間はいつも本を読んでいたような人だった。こんな元気で活発的なような人ではなかったはずだ。


 そんなことを独り言のように呟いていたら、独り言を聞かれてしまい、「あってるよ。」といわれてしまった。


「思い出してくれて良かったよ。」

「なんで、藍沢さんがココにいるの。」

「それっ、私が先に聞きたかっただけど....サエカちゃん。ちょっとこっちに来て。」


 誰かを呼んでいるようだったので、藍沢さんが声をかけた方を見た。

 近づいてきたサエカちゃんと呼ばれる女性は、藍沢さんと同じぐらいの身長で、藍沢さんより主張する物が主張していた。スカートドレスのような恰好をしており、髪は茶色がかっており、ゆるふわロングだった。見た目は清楚系で可愛いより美しいが似合う女性だった。


 横から声が聞こえる。


「一目ぼれしちゃった?彼氏いるからあきらめた方がいいよ。」


 そんな声が耳元で聞こえた。



 ☆☆☆☆☆☆



「紹介するね。前崎サエカちゃんだよ。今日はこの子の付き添いなんだ。」

「初めまして、前崎サエカです。よろしくお願いします。」

「よろしく。僕は、錦戸カケル。藍沢さん付き添いってどういうことなの。」


 自己紹介をし、藍沢さんの方を向き、Eランク試験って付き添いありなの?と思い疑問を投げかける。


「それはね....。」


 藍沢さんが答えてくれたことを要約すると。

 大学で友達になった前崎サエカさんに彼氏ができたそうだ。その彼氏が冒険者をやっていて、デートしているときに一緒にダンジョンデートに行きたいと、こぼしていたそうだ。サエカさんは彼氏にサプライズをしたくて、冒険者になることを決意した。でも、1人だと心細くて、友達である藍沢に一緒に冒険者になって欲しいとお願いしたみたいである。彼氏は、Dランク冒険者らしい。


 そんなこんなで、彼氏に内緒で頑張った結果、本日Eランク試験を受けに来て、試験会場に入ってきた僕を見かけたらしい。あんまり外見変わってなくて、すぐ気づいたそうだよ。


「それで、3人以上のパーティー組まないといけないでしょ。良かったら藍沢君パーティー組まない。知ってる中だし、安心できるし。1人でしょ。」


 最後の言葉が、僕の心を抉ったがその気遣いに感謝をして、「お願いします」と頭を下げた。僕自身も覚醒者であることを知らない人に知られるよりいいと思ったからだ。


 規定は3人なので、3人になったので「3人でいい?」と確認して了承を得たので、華吹試験官にパーティー結成の報告に行こうとしたとき、また後ろから声がかかった。

 今日は、後ろから声かけられる日なんだな...と内心思っていたりした。


「あの....私.....入れて。」


 後ろを振り向くと、顔が瓜二つの双子の女の子がいた。

 どちらも僕の胸くらいの身長であり、片方はポニーテールで、もう片方はツインテールだった。どちらも黒髪でよーく見ると赤茶色が混ざっている。ワンピースのような服の上に上着を羽織っており、可愛らしい双子だった。


 僕が出る幕ではないので、藍沢さんに任せる。


「どうしたの?」

「私たちをパーティーに入れて欲しいのです。駄目でしょうか。」


 ツインテの方がお願いしてきた。先ほどのとは違う声だった。


「別に構わないけど、私たちと一緒でいいの?」

 僕とサエカさんの方を確認してきたので、僕は首を縦に振った。


「3人以上でパーティー組めなくて。他は6人5人でもう組んでて、それにカコが男性恐怖症で困っているのです。それに....。」

「男性恐怖症なら、私たちのパーティーも難しいんじゃない。錦戸君が男の子だし、錦戸君外しちゃうと、彼ボッチになりそうだし。泣きそうだし。」


 僕は、藍沢さんのグサッとくる言葉に反論したかったが、グッとこらえた。

『ポーカーフェイス』くん仕事をしてくれ...精神攻撃無効化してくれるんでしょ。表情に出ないのは助かるけどさぁ。


「一緒でも構わないのです。他のパーティーより女性が多いので大丈夫だと思います。」



 冒険者になるのは大半男性だ。女性はあまり多くない。やはり、ロマンや夢を追い求める奴は男性の方が多いいのだ。

 今回の試験に関しても、女性は彼女たちを除いて2人程しかいない。そのどちらも男性パーティーに1人ずつ入っている。あの中に彼氏がいるんだろう。そう考えると、彼女たちが僕たちに声を掛けてきたのにも納得する。



 藍沢さんがもう一度確認してきたので、首を縦に振っておく。


 藍沢さんが双子に組んでもいいことを伝え、自己紹介をする。僕達もした。


「私は、善宗寺《ぜんそうじ》ミライと申します。藍沢さん、前崎さん、錦戸さんよろしくお願いします。それでこの子が....」

「カコです。」


 ミライさんの後ろに隠れるようにして、カコさんも自己紹介をしてくれた。僕から距離をとって睨んでいるように見えるが、僕は初対面の人に嫌われるような人ではない。男性恐怖症せいだよなと思うことで心を保っていた。


 他から見ればハーレムパーティーにしか見えない。後ろの席にいる人達から視線を感じる気がする。ボッチになることが嫌で何も考えず全肯定していた過去の自分に後悔しつつ、『ポーカーフェイス』くんに助けてと心の中で祈っていた。



 華吹さんにパーティー結成、承認してもらったよ。ジト目ももらった気がするよ。もらってなくてもどうでもいいよ。もうライフは0だから何でも嬉しいよ。


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