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60受け入れ準備

「ではご主人様ぁ。

メリダは今晩からウチで『寝泊まり』をするのですよね?」

と、エマ。何故かとても嬉しそうだ。


「あー。まぁそうだよな。

奴隷が主人と離れて生活っておかしいよな?」

うん、エマ正しい。


「えっ?あたしヨシア君と寝泊まりするの!?」


メリダはまだ状況に翻弄されている。

分からんでもないがな。


「メリダ。貴女はまだ自分の立場が分かって居ないようね?

『ご主人様』に『君』付けとは何事ですか?」

と言われ、


「す、すみません。」

とうなだれる。


いきなりそんな状況を高速で受け止めろったって無理だろうし、仕方ないだろう。


メリダには、仕事は俺の家から通うように指示した。

流石に観念したのか、メリダもそれを受け入れた。


「ではヨシアさん、いきましょうか?」


「はい。」

といって冒険者組合をあとにした。


帰りの馬車の中で、

「ご主人様。申し訳ありませんが、ご主人様が『なさった』後で結構ですので、メリダを私にしばらく預けて頂けないでしょうか?

彼女はまだ『奴隷』としての心構えが出来てない様です。今後の事を考えますと。

キチンと『躾』をしておくべきかと思います。」


ここはエマに任せるか?スキルで「手加減」を持ってるし……。

ハイスペック侍女に全部任すか。


「分かった。メリダの事は全てエマに任せる。」

と俺が言うと、


「かしこまりました。」

と、エマが頭を下げた後、

何故か恍惚の表情で。


「あぁ、久しぶりですわぁ…どうやって可愛がってあげようかしら……。ご主人様すみませんが道具を買い揃えるのにお金を使わせて頂きたいのですが、宜しいですか?」



「ああ、任せる。この前の金で足りなければ、また言って来ると良い。」


「ありがとうございます。」


その会話でイシスが何か気づいたのか、

「おそらく、そういった道具は私の商館で扱っております。

宜しければ見ていかれてはいかがでしょうか。?」


「まぁ!本当ですかぁ!?」

なんだか目がキラキラしてる。


「俺は先にウチに帰ってるから二人で見て来ると良い。」


「「はい。」」

俺は組合に行く前に、鍛えてた剣の事が気になって仕方ない。

早く帰って仕上げてしまおう。


家に入るなり真っ直ぐに鍛冶場に行き、砂の中から鍛えてた剣を取り出した。

砂を拭い、歪みを確める。


……うん……大丈夫。


早速砥石を作動させ、木と万力で固定させ研いでいく。

仕上げまで磨いて、刃の立ち具合や光沢を確める。

蛤刃に研いだそのケバは、しっかりと立ち、磨いた刀身の鋼はまるで水から取り出したかの様に、しっとりとした光沢がある。


その刀身を眺めながら、

……そろそろ刃紋の焼き入れを考えるか……。


…刀身に『色気』が欲しい……。

どうしよう?この剣で試してみるか?


俺は、これをイシスに『礼』として渡すつもりでいる。

色が『 足りない』と思っているものを『礼として』渡すのは『無礼』な気がする。


俺は早速、砥石の下から研ぎ粉を、炉から灰を掻き出し、炉の補修用に買っていた粘土と一緒に混ぜ合わせた。


しばらく練って馴染んだ頃にその『混ぜた泥』を置き、大きな桶に水魔法で水を入れ、そこに粘土と灰を溶かしていく。


炉に火を入れて加熱する。


準備は終わった…はじめるか…。


先程研いだ剣に、その辺の木から薄いヘラ状に削り、それで『混ぜた泥』を乗せていく。


刃先からしのぎまで分厚く揺らいだ線を泥で描き、剣の中心は分厚く、その周りは申し訳程度に薄く塗っていく。


粘土の厚さの強弱がはっきり出来たのを確認して、魔法を使い乾燥させていく。


色々と試したら、水魔法で水分だけを抜く事が出来るようになった。


本当は数日乾燥させたい所だが、まあお試しだ。

魔法を使った『短縮』がうまくいくかも、今後を考えたら必要だし、何事も経験だ。


塗った粘土がカチカチになったのを確認し、鍛冶場の窓を木板で塞いで真っ暗にする。


暗闇の部屋の中で、炉の炎だけが辺りを照らしている。


炉の前に腰掛け、炭を均す。


炉の中の炭は、赤くなり……紅くなり……その一つ一つから昇る火が踊るように揺らめいている。


…………………。



…………そろそろか…。



粘土だらけの剣を炉の中に入れ、少し炭を被せる。


(ふいご)で風を送りながら、


熱した剣の赤みが全体に均一に染まるように、


火ばさみで『揺りかご』を揺らすように、


ユサユサと、炭がゴロゴロしている所の、『窪み』に収めた剣を揺らしていく。


……よし!いこう!


剣が片側に反らないように、

刃先から片側ずつ水に


『浸けて』


『出して』


『浸けて』


『出して』


を繰り返し、最後に刀身全てを水に『沈めた』。


……帰って来たか。

木板を外して部屋に明かりを入れていると、入り口で物音がする。


業者のような声も。

……メリダ用のベッドでも買ったか?

クイーンベッド2つで四人はキツいのか?


まぁ、俺は『任せる』と言ったんだから口は出さない。


そう思い直し、水に入れた剣を出す。

少し歪みが出たので修正し火にかけ、軽く焼き戻しをする。


冷めた剣をまた研ぎ直す。


刃紋は……うん…出来てる。


ブロードソードの刃から中心へ揺らぐ様に波打つ刃紋が出来た。


うん。初めてにしては間違い無く上出来だ。

俺は剣の根元。

剣の刀身の鍔近くに『ヨシア』と、この世界の文字で名を彫り、剣の柄にオークの革を巻き付け、接着し、鞘も造る。



その日はアダマンタイトの鎚を潰して、14個のインゴットにして今日の仕事を終えた。




今後月曜火曜に更新していく予定です。

宜しくお願いします。

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