55抗議
「おぅ!『変態屋敷』の兄ちゃんの話聞いたか!?」
「あーあれな!ふざけやがって!
あいつら『造り手』側を完全にナメて喧嘩売ってやがる!」
「てことは、親っさんあの話に乗ったのか?」
「ったりめぇだろが馬鹿野郎!
お???オメェまさか『乗らねぇ』って訳じゃねぇだろうな?!」
「馬鹿いうなよ!こんな面白ぇ話乗るに決まってんだろ!」
……………。
「ではヨシア様、まずは商人組合としての今件の対応を説明いたします。
『本日から今後3ヶ月間、冒険者組合への『優遇措置を停止』。
『正規の値段』から、『ポーション』、『薬』、『武器』、『防具』に限り三割の値上げを行います。
値上げ中の加害者26名を、『商人組合』が納得いく形での処分を下さない限り、値上げを更に3ヶ月延長する』という 旨を昨日、冒険者組合へ書面で通達しました。
おそらく、数日以内に冒険者組合からの和解等も含めた、話し合いを提案してくるかと思います。
その際にはヨシア様にも同席して頂きたいと思っておりますので、しばらくは、ダンジョン等は控えて、いつでも動ける体制でいていただく様、お願いします。」
「イシスさん、もう『様』を付けるのは勘弁して下さい。
これだけ助けていただいて、そう呼ばれるのは流石に………。」
正直頭が上がらない。
「わかりました。では『ヨシアさん』でよろしいですか?」
「是非そうして下さい。」
お願いします。
「今回の抗議活動で商人組合、産業分野の方は不利益になったりしないのでしょうか?」
「概ね問題ありません。
元々ポーション作成の錬金術師や薬師からは『販売価格が安すぎる』と前から苦情がありました。
武器防具職人からは冒険者組合員の行為に、非常に憤りを覚えているようです。
売り手は街全体の値上げですから、そこまで問題になりません。
値上げをするという事は、それだけ利益が見込めるという事ですので………。
とにかく、今回は武器防具職人がかなり『頭にきている』状態で、売り手もあまり文句も言えない空気になっています。」
商人組合、とくに産業区画の方々には頭が上がらないな……。
「そういえば、お借りした剣なのですが、中々素晴らしい出来映えですね。
詳しいものに見てもらったのですが、かなり評価が高かったです。」
「いゃぁ……まだまだです。ダンジョンで使ってみましたが、重心や形など気になる所がずいぶんあります。」
「…職人ですね。造り手の方はよくそうおっしゃいます。『造っても造ってもどんどん気になる所が出てくる。』と。
これは職人の『性』でしょうか。
冒険者組合の件が落ち着いたら、
剣の事も話し合いましょう。」




