31『縁』
困った事になったな。
オークの『巣』の追跡がしたかったのに…。
最悪リザを街に残して「空気」で侵入するか。
まあ、まだ何日か余裕あるし、その時考えよう。
まずは家、家!。
不動産屋に向かった。
「いらっしゃいまし。今日はどういったご用件で?」
「家が欲しいんだが、趣味で鍛冶をやる。
済まないが、それなりの敷地で騒音の苦情が少ない所を紹介してくれ。」
ここはナメられたくないから、上からな感じで行きます。
「そうですねぇ。鍛冶をやると仰いましたが、
商人組合には加入していないので?」
「そっちの組合には入ってない。冒険者の方だ。」
「そうですか、え~まずですね、鍛冶をやるとなりますと、産業区画になります。
産業区画は商人組合の登録が無いと、購入する事が出来ません。
それに鍛冶をやるとなったら、材料の仕入れ等もあります。
材料を個人に販売しないことも無いですが、貴重な材料はなかなか………。
商人は客と職人との繋がりを、『縁』を大事にします。
貴重な材料などは職人に渡した方が、完成した商品の販売などで儲けに繋がりますので…。」
「なるほど」
道理だな。
「では商人組合に加入するにはどうしたら良いんだ?そもそも、2つの組合の掛け持ちは可能なのか?」
「掛け持ち自体は問題ありません。
ただ商人組合に加入するには誰かこの組合の者の紹介状が必要になります。」
…参った。
「生憎そこまで親しい商人は……。」
「?お客様、そこにいる娘はお客様の奴隷で?」
「ああ、そうだが?」
「もしかして、この道の並びにある、一番端の白い商館では?」
「ああそこだ。」
「それでしたら、そちらに相談された方が宜しいかと、あそこの主人は組合の幹部です。
自分の商品を買われた『縁』のお客様を無下にされることはないはずです。」
あの商人か…。リザを買わせてもらったお礼がてら相談してみるか…。
リザと手を繋ぎ商館に向かう。
一応リザには「リザを売りに行くんじゃない」と伝えてあります。
リザはずっと僕のです!
ついでに奴隷を見て行くか?
またあの、「一大イベント」イッちゃう?
なんて思ってると、ついちゃった。
コンコン
「失礼する。」
「これはこれは。いらっしゃいませ、ヨシア様。」
扉を開けたらすぐ主人がいました。
「ご無沙汰しております。」
リザが頭を下げてます。
「リザも一緒か。良くして貰っているかい?」
「はい。大変良くしてもらっております。」
と、リザ。
「実は~。」
と、これまでの不動産屋での経緯を説明しました。
「なるほど。そういうことでしたら、私が紹介状を書きましょう。ただ、多少で構わないので作った製品を武器屋なりに卸して下さい。」
「それだけで良いんですか?」
「はい。さすがに何も商売しない方を組合に入れる訳にはいきませんから。」
なるほど。そりゃそうだ。




