23 油虫が如く
「………何で、な、にを言ってんだ。」
「しらばっくれないで下さい。
知ってるんですよ。
あなたが剣はからっきしですが、捕まえて縛り上げるのは得意だとか。」
「………」
よしもっと煽ろう。
「今から言うことを、ちゃんと正確に理解してくださいね?
『ぼくは、あなた達の』ヤってることを知ってるんです。ですからちょっかい出さないで下さい。」
『達の』を強調して言いました。
「では失礼します。」
二人でその場を立ち去ります。
そして尾行されやすいようにゆっくり歩きます。
(よし、付いてきてる。)
途中、リザと濃厚なキスを見えるようにしたり、(よしよし。見てる見てる)。
また寄り道して、物陰でリザの胸をまさぐってるのを、態々見える様にして、(あ、イライラしてる)宿に着いた。
宿の部屋の中入ってからリザに、
「今日のご主人様は変です」と言われ、謝り、自身の鑑定スキルを説明した。
「ご主人様は色々とお持ちなのですね」と、
呆れられた。
まだあると伝え、
「完全空気」を目の前でみせたら。
目を真ん丸にしたあと、「はぁ」とため息をつかれた。
「わたしはかなりスゴい方に買っていただいた様ですね」
「ごめんね。リザには俺の事、少しずつ説明するつもりだったんだ。
けど、今俺達にちょっかい出してくる相手からリザを守るためには…ね?」
リザは俺の事をまっすぐ見つめ。
「私はご主人様の奴隷です。
何があろうと、私はご主人様を信じています。
私にして欲しい事はすべて仰って下さい。
私はご主人様を裏切りません。
私を信じて下さい。」
俺はリザに感謝し、これからの対策を話し合い、その日はお互いを労り合う様に眠りについた。
………………ん、俺は寝ぼけ眼で眼を覚ました。
外はまだまだ暗闇が深い
街の明かりがほぼ全て消え
光はまだ空を照らさず
静寂と闇が街を支配している
そんな中
………動いた。拡げた「空気」に反応があった。
泊まってる宿の外。
アイツに付けた「黒い空気」。
それを、あちこちに張り付けた男が五人。
………ちゃんと『巣』に持ち帰ってくれたみたいだな。
スキルなんかの構成から斥候だろう。
宿から一定の距離の建物の陰に、隙間に隠れてる。
それとは別に
遠くへ
薄く
薄く
拡げた「空気」の端、そこから大分離れた所から、「黒い空気」の反応がある。
その「黒い空気」の反応は薄くぼやけて、広く拡がっている。
………そうかそこが『巣』か………。
黒魔法は闇魔法。
その魔法の1つに『ゴーレム生成』がある。
「黒い空気」は単純な事しか出来ない。
1つは「アイツと一定時間会話した者に、「黒い空気」は分裂し、肺と体に張り付く。
もう1つは、「黒い空気」に合図を送ると、性質を変え、『呪』になる。
………今はまだ仕掛けて来ない。
遠くの「黒気」は全く動く気配が無い。
体全体でリザの肌の感触を感じながら、
………朝になったら二人でアイツらが仕掛けて来そうな場所に行くか………。
…明日にはカタをつけよう。
そう思い、リザの体を抱きしめて、もう一度眠りについた。




