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蓮さま生誕祭!! その3



「もう、しょうがねーな! おい歩夢っ、店長はお前にやるから取りに来いよ!」


 えーーーっっ!?

 

 

 ステージの袖から蓮さまと同じ、白いバスローブにワイングラスを持って歩夢くんが現れた!


 キャーーーァッッ!!!???



 大歓声に包まれる中、私を見つけた歩夢くんが驚いた表情で近寄って来た。



 「ちょっと出番が早まったけど、昼の部のシークレットゲストは俺のバディこと成田歩夢くんでーす!」


 キャーーーッッッ!!!

 歩夢くーん♡

 あゆむーん♡


 凄い人気だわ! これには流石の蓮さまも頭を掻きながら、


 「おいおいお前ら、俺が出て来た時より歓声凄くないか? 今日の主役は俺だぜ!?」


 おどけて見せて会場の笑いを誘った。私をずっと見つめていた歩夢くんも、はっとして会場に目を向けて、


 「皆さんこんバディは! そして蓮さん、誕生日おめでとうございます! 成田歩夢です、本日は宜しくお願いします!」


 パチパチパチパチ パチパチパチパチ

 歩夢くーん♡


 「それより皆さん聞いて下さいよ! 俺、さっきトイレから戻ったらいきなりスタッフにバスローブとワイングラス渡されて着替えてって言われたんですよ!」



 あははは あははは♪

 パチパチパチパチ パチパチパチパチ♪



 「……なんか二人で同じ格好でソファーに座ったら、設定変わっちゃうだろ?」


 そう言って二人はソファーに座り見つめ合いながらグラスをコツンと当てた。


 キャーーーァッッ!!!


 「これじゃ俺が蓮さんの愛人みたいじゃないですかーっ!?」


 会場が歓声と笑いで包まれた。二人息ピッタリね、流石バディだわ! 歩夢くんも場慣れしたのか堂々としているし自分の役割分かってるのね♪


 「歩夢、紹介するよ、この子が噂の赤メッシュことゆみちゃんで、隣のお姉さんが歩夢最推し店長だ!」


 改めてみんなの前で言われると恥ずかしいわ。歩夢くんは少し顔を赤らめながらも私とは目を合わさずに、


 「蓮さん、実は俺、赤メッシュ……、ゆみさんのライブに今年の冬行ってるんですよ! てかゆみさんが赤メッシュさんだったんですね!」


 会場がざわついてるわ! もしかして歩夢くん、私の事も……?


 「マジか!? ……こんな偶然ある? 本当か赤メッシュ?」

 

 ゆみちゃんも今日イチのドヤ顔で、


 「あははは、蓮さまも一度見に来て下さいねー!」


 そう言ってまたもやライブ告知のボードを掲げ、配信のカメラにアピールしている。

 歩夢くんも見に行ってたバンドなんて、とんでもない宣伝になったわね、ゆみちゃん!


 「それじゃ歩夢、店長も知り合いか?」


 蓮さまに振られた歩夢くん、……何て答えるの?


 「えっと……、俺が事務所に入所してからすぐのイベントで初めてお会いして、ひと聞き惚れしたと言われて……だから俺のファン第一号です!」

 「マジか! 流石店長、いい耳してるな! それじゃこのまま突然だけど『囁きボイス』のコーナー行っちゃう?」

 

 キャーーーァッッ!!! パチパチパチパチ♪


 「蓮さん、俺の出番も終盤だったのに、もう進行滅茶苦茶ですよ?」

 「あはははっ、まぁいーじゃねーか! このコーナーは事前に会場に来てくれたみんなに俺から言って欲しいセリフを募集して、それを直接本人の前で囁くってヤツなんだけど、今回は特別に歩夢にも参加して貰おうかな?」


 キャーーーァッッ!!!


 「とりあえずステージに上げちゃったから、赤メッシュには俺がアドリブでセリフを言うから、歩夢は店長に何か考えて囁けよ!」

 「えっっ!? ……分かりました」


 歩夢くんと目が合った。えっ、……なんか怒ってる?


 「それじゃ俺から行くわ! 赤メッシュ、おいで!」

 ウッキウキのゆみちゃんはソファーに座る蓮さまの隣に座り目を閉じた。こんなサービスあり!?


 「赤メッシュ、いや、ゆみ、お前はずっと俺の事だけ見てればいーんだよ!」


 キャーーーァッッ!!!


 メロメロになったゆみちゃんは暫く呆然としていた。こんなん誰だってそーなるわよっ!


 「あははっ、はーい、どんどんやっていくぞ! 次は歩夢っ!」

 「それじゃ店長さん、……こっちに来て下さい」

 「……はい」


 なんか目が怖い! どーしたの歩夢くん?


 「それじゃ歩夢の囁きボイス、三、二、一……」


 歩夢くんは私の耳元でとんでもない事を囁いた。


 「ねぇ、どーして俺の誘いを断って蓮さんのイベントなんかに来たの? 君は俺だけのモノなのに……」


 あははは あはははっ♪


 会場が笑いに包まれた。アドリブじゃないわ、これマジなヤツっ! だから怒ってるのね。


 「はーい、赤メッシュと店長、なんか二人がゲストみたいになっちゃったな、ありがとう! 後はゆっくり見てってくれよ! みんな拍手〜!!」


 パチパチパチパチ パチパチパチパチ

 パチパチパチパチ パチパチパチパチ♪


 客席からの温かい拍手に、私とゆみちゃんは並んで頭を下げてようやくステージから開放された。


 席に戻るとゆみちゃんは涙ぐんで私に抱きつき、


 「いづみちゃん今日は本当にありがとう! もう私、ここで死んでもいーかも♡」

 「大袈裟ねー、夜の部もあるのよ。でもこれでゆっくり見てられるわね♪」


 はぁ〜っ、緊張と驚きと興奮がごっちゃになって座った途端にふっと全身の力が抜けたわ。


 ん? ……ふと歩夢くんに目を向けるとずっと私を見ている!! 駄目っ、そんな目で見ないで!!




 ※





 その後は、フリートークを織り交ぜながら、抽選で次々とステージに上げられた女の子や男性も! ……が、ソファーに座り各々の考えたセリフを二人に囁いてもらっていた。

 当然の如く皆、フラフラになってステージを降り、中には号泣して立ち上がれなくなった子もいた。分かるわぁ〜!

 みんなのリアクションが面白かったのか、大サービスなのかは分からないけど二十人位はステージに上がったんじゃない? 途中のフリートークも面白かったし、後は蓮さまが仲良くしている声優仲間からのコメントや映像などもあり、あっという間に時間が過ぎていった。


 

 ……そんな中でも歩夢くんとは何度も目が合った。

 いつもの優しい眼差しとは違う目で私を見ている。怒ってる、……わよね?


 そしてサプライズはまだ続いた!


 「それじゃそろそろ終わりの時間が近づいて来たからさ、みんなに俺達からサプライズプレゼントをあげようかな?」


 そう言ってソファーから二人が立ち上がり、


 「これは今日情報解禁なんだけど、実は『バディーズ』の六話からエンディングは俺達二人で歌うんだ」


 キャーーーァッッ!!!


 「それを今から歌おうかな、なぁ歩夢?」

 「はいっ、これが初披露なのでめっちゃ緊張してます!」


 「それじゃ聞いて下さい! 黒崎遼太郎cv三上蓮と、瀬戸内駿cv成田歩夢で……」


 「「Perfect buddies!!」」


 会場が暗転してレーザーが飛び交い、幻想的な空間の中二人が歌い始めた! 思わず皆客席から立ち上がり悲鳴の様な歓声が響き渡る。


 凄い!! 蓮さまは何度もライブに足を運んでるから分かるけど歩夢くんまで!


 忙しい合間を縫って練習してたんだね。そして何より駿の声で歌い上げてるのが凄い!


 まるでアニメから二人が飛び出したかの様だわ!!


 サビ前の蓮さま得意のラップから二人がハモるサビの部分は鳥肌が立つ程興奮した。そして自然と涙が溢れて来た。




 ※




 「それじゃみんなっ! 今日は祝ってくれて本当にありがとう! 配信を見てくれているみんなもありがとう!! 最高の誕生日になったぜ!」


 興奮と感動でまだ騒然としている会場で蓮さまと歩夢くんはみんなに手を振り応えている。



 なんか色々あり過ぎて頭がパンクしそうだけど、最高のイベントでした。ありがとう蓮さま、歩夢くん♡

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