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決意表明!!


 「ご馳走様でした。明日からまた宜しくお願いします!」

 「あぁ、でもあんまり入れ込み過ぎるなよ。これから『バディーズ』のイベントやアニラジも始まるし。 せっかくだから楽しもうぜ、こっから年末まではもうずっと俺達のターンだからな!」


 蓮さんは颯爽とタクシーに乗り込んで帰って行った。


 なんか色々吹っ切れたよ。来年の春までの一年間、やらなくちゃいけない事が明確になったし、もういづみさんの事で悩んでる暇なんて無い!

 蓮さんから吸収できる事は全て吸収して、胸を張って送り出して見せるぞ!


 酒も入って気が大きくなっているのか、今の俺なら何でも出来る気がして来た。



 ピロリン♪

 

 

 ん、……誰だ? っていづみさんっ!? 


 ほぼ毎日何かしらメッセでやり取りはしてたけど、昨日あんな別れ方したから暫くは連絡は来ないのかと思っていた。


 『今、時間大丈夫?』

 『大丈夫だよ。さっきまで蓮さんとご飯食べてた』

 『ずるーい! 私なんてさっきまでずっとかれんが居たのよ!』


 かれんさん、絶対自分の家だと思ってるよな? その内本当に引っ越して来そうだ。


 本当だったら直接会いに行って、今の俺の気持ちを伝えたい所だけど、明日はいづみさんも仕事があるし迷惑だよな。すると……、


 『電話してもいい?』


 マジか! 今、俺もそう思ってた! 返信するより直ぐにこっちから電話をかけた。


 『あっ、……歩夢くん』

 『こんばんは、いづみさん。声が聞けて嬉しいです!』

 『もぅ、それはこっちのセリフよ! スマホから聞こえる歩夢くんの声、初めて聞いたからドキッとしちゃった。……やっぱり好きだな、その声♡』


 そんな事言われたら会いに行きたくなっちゃうよ!

 てか、俺だって初めて会った時からいづみさんの声好きなんだけどな。


 『俺もいづみさんの()()好きですよ』

 『ふふっ、なんか褒め合いっこだね。ありがと♪ それより聞いてぇ〜、かれんったらねぇ……


 この柔らかい声を聞いていると、昨晩抱きしめた感触が蘇って来る。

 もう俺の気持ちは伝えているし、後はいづみさんの返事次第なんだけど、なんかいつもとまるで変わらないよな?

 

 『いづみさん、ちょっと聞いて欲しい事があるんだ』

 『ん、……何?』

 『昨日俺、告白しましたよね?』

 『…………うん、告白されました』

 『なのに何でそんな普通で居られるんですか? 俺なんかいづみさんの事ばっかり考えてて仕事にも集中出来ないのに』

 『…………』


 すると暫く沈黙が続いた後、小さい声で、


 『だって……、いつも通りにしてないともう会えなくなりそうなんだもん。私だって今日、歩夢くんの事ばっかり考えてて……』

 『俺があんな事言ったから気を遣わせてしまって……、ごめん。でも伝えずにはいられなかったんだ』

 『歩夢……くん、あのね、私…………


 答えなんて分かっている。だから俺の方から先手を打っていづみさんを楽にしてあげなくちゃ。


 『いづみさん聞いて、俺、いづみさんが俺の事を思って付き合わないのは分かってる。だから俺、この先一年死に物狂いで頑張るから! 


 そして改めて来年いづみさんに告白します。


 待っていてくれなんて言いません!


 今まで通りの関係で、もし、……他に好きな人が出来ても構いません、でも、俺を、いづみさんの一番の推しにして下さい!』



 ……あれ? 暫く沈黙が続いてるんですけど?



 『…………うん。歩夢くん、……ありがと。私も歩夢くんが成長するのを一生懸命応援するから! だって私、あなたのファン第一号だもん!』


 ……これでいいんだよね? もう迷う事なく仕事に集中して、蓮さんを笑顔で送り出そう。


 『でも、……休みの日が合えば、……会いたいな。一緒にご飯作ろうって言ったの覚えてる?』

 『覚えてるに決まってるじゃないですか! それまでに料理の腕磨いていて下さいね!』

 『あー、何、その上から目線! 私だってやれば出来るんですからねー!』


 ムキになるって事はかれんさんから聞いてる通り、今まで料理した事ないって本当だったんだな。


 『それじゃまた、明日仕事ですよね? 遅くなってしまいすいません』

 『ううん、平気。いっぱい声が聞けたから明日からまた頑張れそうだわ♪』


 『じゃ、おやすみ』

 『うん、おやすみ』



 通話を終えてもまだ、いづみさんの声が頭の中で聞こえてくる。これで今まで通り連絡も出来るし会いにも行ける。


 ……って、これ付き合ってるのと変わらなくない?


 まーいっか! とにかくこれから忙しくなるぞー!





 ※





 〜鈴森いづみ視点〜



 はぁ〜、これで良かったのかしら?


 さっきまで歩夢くんの声が聞こえていたスマホを抱きしめため息をついた。


 メッセージを送るのも躊躇ったんだけど、いつもと変わらない接し方で……、電話もそう、私の事を思ってくれているのが凄く伝わってくる。


 私、……これで良かったの? それとも昨日の告白を受け入れた方が良かった?

 勇気の出ない私の事なんか嫌いになっても不思議じゃないのに……。


 でも歩夢くんはこんなどっちつかずの私に、一年間頑張ってまた来年告白してくれると言って来た。

 私達、今まで通りでいいって事よね?



 嬉しい! 


 

 私もこの一年間、全力で歩夢くんを応援しなきゃ!

 そして料理は勿論、家事もしっかりやって歩夢くんに嫌われない様に自分磨きをしよう! 


 蓮さま、……ごめんなさい。


 最推しは歩夢くんに変わるけど、今までの私の心の支えになってくれてありがとうございました。それでも変わらず応援させて頂きます。


 あぁ、秋からのアニメが楽しみだわ! イベントとかやるわよね? そしたら二人並んで舞台に立ってる姿が見られるって事!? 


 ……倍率高そうだなぁ、でも私、何故かくじ運だけは良くって、蓮さま関連のイベントやお渡し会は殆ど外した事が無いのよね。

 みんなが一度は夢見る最前列も何度か当ててるし!


 あっ、そー言えば歩夢くんと初めて会った時もくじで特賞当てたっけ。景品の温泉旅行は結局職場のバイトのゆみちゃんと二人で行ったんだけど、……本当は歩夢くんと行きたかったな。


 



 よーし、私もこれから忙しくなるぞーっ!





 第二章 終わり

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