原典武器 二ヒレ 解放 そして2対の指輪
「俺はさ、さっき、逃げたんだ」
「......」
「情けねぇよな、それでもいいっていうやつがいたんだよ、俺は期待に応えたい」
「俺は、この力で、全てを救うなんて大層な皆が思う救世主になれるなんて思っちゃいねぇ、俺はただ、俺の目の前の人を助ける。俺はさ、『救世主』じゃなくて『愚者』だから
拳を握りしめ、そう答えた、瞬間、【二ヒレ】が一瞬、光った気がした。
「だから!! 負けねぇよ、相手が誰であろうが、だから、寄越せ、お前の力を」
俺は手元の二ヒレを地面に刺し、
「ヴァニタス!!」
【いいんだね、本当に】
ヴァニタスが問いかける。
「いいさ、俺は愚者だから」
【うん、いい答えだ】
【今から反動で少し、暴走するかもだけど、うまく抑え込むんだよ?】
「あぁ」
【行くよ!! 解放】
そうヴァニタスが叫んだ瞬間、二ヒレが輝き、灰色の霧が放出され、俺の意識は二ヒレに持っていかれる。
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(ここはどこだ?)
眼に見える距離に灰色の扉がある。
(あの扉から出ればいいのか)
俺はあの扉に向かって、歩き出す。
すると、景色が変わった。
足元には幾億の骸骨の山が置かれている。
目の前には灰色の長髪の一人の女の子がいる。
「しくしく、しくしく、お母様、お父様どこ?」
「どうしたの?」
俺はその子の肩に手を触れる。
「!?」
(消えろ、生きたくない、死にたい、どうしてみんなばかり)
この子の様々な感情が流れてくる。
女の子が顔を振り向く。
気づいた。
灰色の長髪に目はオッドアイ
この子は幼い時のヴァニタスだ。
「お兄ちゃんは誰?」
「俺の名前か、俺の名前はね、黒乃 空だ」
俺は怪しくないように自己紹介した。
「お兄ちゃんも皆、みたいに死ぬの?」
「いや、俺は死なないよ」
「嘘だ、だってそう言った、お父様もお母様、皆、死んじゃった。私が殺した。 この空間、扉からは抜け出せない」
ヴァニタスは目の前の扉を見つめながら、そう答える。
その瞬間、ヴァニタス少女の負のオーラが爆発し、灰色の霧が俺に襲ってくる。
「くっ!!」
ヴァニタスに抱き着き、正面から見る。
俺はヴァニタスを傷つけないように覆いかぶさり、押し倒す。
だが、その灰色の霧は突如現れた、金色の淡い温かい光に弾かれ、霧散した。
(どうして、でも、今は)
「お前の悲しみを救ってやる、だから、頼む、いや、違うな、一緒に戦おうヴァニタス」
「でも、私といたら皆、死んじゃうよだから「だからって、俺は女の子を一人にしない、一緒に出よう!! ヴァニタス」
俺はヴァニタスを見つめ、手を握る。
「!? うん、お兄ちゃんとなら出来る気がする」
そして、ヴァニタスの少女は笑い手を取る。
【これで2度目だね】
声が聞こえる、ヴァニタスの声が。
何が2度目かは分からないが、それでも、やることは決まっている。
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意識が戻る。
気づいたら、剣の束を握っている手が複数あった。
「やっと戻ってきた、この馬鹿」
アリシアが目元を腫らし、そして、ヴァニタスがそれを慰める。
「【お帰り】」
二人とも、存在が希薄になっていたが、無事成功したことにより、存在が元に戻ったのだろう。
剣を見る、
とてつもない輝きを放ち、それは剣の形から、2つの指輪に変形する。
(これはなんだ)
灰色の指輪が
【これの名前はね『契約指輪』だよ、少し、特別なね】
「「え?」」
アリシアと俺の薬指にその指輪が装着された。




