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虚無の精霊使い~愚者と呼ばれた異端者は世界を支配する  作者: 誤インキャ様
帝国編 皇位継承編

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デュアルリング覚醒

「ねぇ、これめちゃくちゃうれしいんだけど」


 アリシアがはしゃいでいる。

 薬指を空にかがけ、キラキラと指輪が輝く。

 良かった、喜んでくれて。


(それにしてもこの指輪は一体)


【これが君たちの契約エンゲージ指輪リングだ、祝福したくないけど、おめでとう、式はいつにする、どうする? こんにゃろー】


 それを茫然と見つめる、ヴァニタスさん、半分殺気が籠っている気がするが。あと混乱しているな。


「え、なんかありがとう」

「有難う御座います」


【お世辞だよ、この野郎ー】


 ヴァニタスがバタバタと暴れ、俺にパンチしてくる。


「いたっ」


(痛いよ、ヴァニタス)


「やれやれ、懐かしい景色だね、私にもこんな時があったな」


 パチパチ


 ジュリアスが声を掛け、拍手をする。

「じゃあ、続けようか、【白虎】急急如律令」


 そう叫んだ瞬間、ジュリアスに白虎が吸い込まれる。


 雷を帯びた白い虎。


「あ、その前に初撃だけは譲るよ」


 俺は茫然とした。


(何を言ってるんだ)


「ほら、はやく」

「無理だ、俺は戦いたい訳じゃない」

「あっそ」


 雷を帯びた高速の攻撃が俺にぶち当たる。


 俺はそれを二ヒレで応戦するが雷を帯びた爪が俺の身体を麻痺させる。



「やはり君は、甘いな、それでは彼女を失うことになるぞ」

「だけど、俺はもう誰も失いたくない」


「はぁ、なら、死ね【白虎】【避雷針】」


 ジュリアスの頭上に、暗雲が広がり、稲妻が堕ちる。


「【天雷爪牙てんらいそうが】」


 先程よりも激しい稲妻を帯びた爪が俺を襲う。

 痺れた身体で俺は動けない。


(これでいいんだ、アリシアを、皆を守れるなら、俺の命くらい)


 その瞬間、二ヒレを誰かが抜いた。


「空さん!! どうしたんですか!! またいつものように私に下衆な視線を送ってくださいよ、今のあなたは貴方らしくない」


 アリシアの二ヒレとジュリアスがぶつかる。

 幾たびの応戦の中、アリシアが問いかける。


「悩んでるんですか、私が消えるって」

「だから、俺は自分を犠牲にすれば」


「馬鹿じゃないですか、誰も殺したくない、もう失いたくない、その気持ちを忘れないで」



 アリシアは攻撃を弾き返した、俺のところまで来る。


「私は精霊が使えない、だけど、これくらいは出来る」


 そして、キスをする。


 その瞬間、とてつもない、魔力が指輪から放出される。

 リングの形もそれぞれ異なる。

 俺とアリシアの指輪は骸骨に変形した。


〈条件クリア:キスを確認、魂の回廊への接続を開始〉


 指輪から機械的な女性の声が流れる。


【よくやったのよ】


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