カエサル皇子とクズ
パチパチ、パチパチ
パチパチと広場に拍手が鳴り響く。
「やれやれ、ネロにも困ったものだ」
「何を成されているのですか、お兄様」
そこには銀髪オールバックにどこまでも澄み切った純朴な金色の瞳、身長は俺と同じ、175cm位だろうか。帝国の王族の衣装を着ていた。
だが、どこか、存在が異質だった。
何だろう、纏ってる雰囲気が、どことなく、エアリスに似ている気がする。
「いや、何、久しぶりに愚妹がこの城に来たと報告をもらったものでね、それに」
俺に目線を向けてくる。
「あの事件を解決した救世主様にお会いしたくてね」
救世主?
「おや、知らないかい? あの事件は世界全土に影響をもたらし,
その元凶たる異端精霊の会NO.7を倒した。もうこれで我々は異端精霊の会に怯えることは無くなる......実に喜ばしいことだ、そうは思わないかね、救世主様」
男は、俺を見据え、問いに対する返答を待っている。
「俺はそうは思いません。異端精霊の会の人だって人間だ。
俺は救世主ではありません」
「だが、世間はそう認識はしないし、これからも、救世主様は殺すのですよね?」
「いいえ、俺は異端精霊の会を殺しません。そう、彼女と約束しました」
思い出すのはエアリスの最期の言葉。
『死にたくなかった』
もう二度と、俺は誰かを殺したくない!!
「甘いですね、救世主様」
その瞬間、俺の視界が地に着いた。
いつの間にか黒衣の外套を着た女性に取り押さえられていた。
むにゅ。
「カエサル皇子、どうしますか?」
その瞳は落胆していた。
「彼には期待をしていたのですが、独房にでも入れておいてください。今から始める、我々の計画には邪魔だ」
「「「ハッ!!」」」
黒い外套の黒装束が現れ、騎士団長、ネロ皇女を捕えようと二人を囲む。
「反逆者、騎士団長クズ、及びネロ皇女、貴方たちには死んでもらいます」
パン、パパン
カエサルと呼ばれた男が手を叩くと黒装束が動く。
「はっ!! 雑魚どもが」
「ここは一旦引きますよ」
ネロと呼ばれた皇女は煙幕を使い、騎士団長と逃げ出した。
(良かった、本当に)
「どうして、俺を殺さないんだ」
俺を取り押さえている女性の黒装束が俺に話しかける。
「貴方には利用価値がある。あの反逆者の二人がわざわざここで戦ったのは、救世主様の戦力を我々に見せつけるためでもあった、作戦は成功したのですよ、良かったですね」
(やばい、集中できない)
「あの~あと一ついいですか?」
「なんですか?」
「当たってます」
黒装束の女性の胸が先程から当たっており、全然集中出来なかった。
バッと。
女性が俺から手を放す。
「きゃっ!! 変態!!」
胸元を隠し、恥ずかしさを隠しているその様子。
(うん!! 眼福だ!!)
俺はその子に対してぐっと親指を立て「良きサイン」を放つ。
俺はすぐに別の黒装束に捕らわれた。
だが、後悔はない、だって、だって。
あの女性の表情を見れたのだから。
そして、一言。
「いい女だ」
俺は呟き、カエサルから一言。
「お前、クズって言われない?」
「え、言われないけど」
「「「絶対嘘だ」」」
やめて、その蔑みの視線で全員、俺を見ないで、興奮する!!
「死ねっ!!」
そして俺は、先程の女性からの殺気の籠った手刀を食らい、気絶した。




