騎士団長と黒乃 空
「待ってください、騎士団長!!」
俺は、クソガキに止められた。
「あぁっ?」
「もう、一回、お願いします」
クソガキは俺に頭を下げてくる。
どんな気の変わりようだ。
それより、何故、敬語なんだ。
だが、それは、クソガキの目を見れば分かった。
ーー漢の目だーー
俺は安い剣を首元に乗せ、挑発する。
「来いよ、クソガキ」
「お願いします!!」
「最初から本気で行きます!! ヴァニタス!!」
【あいよ!!】
「特殊精霊武装;罪具解放;虚無の剣」
灰色の霧が剣の形を形成する。
「模倣:紅蓮」
全身が赤い炎に包まれる。
髪の毛の色は深紅に。
剣は真っ赤に。
「ほう、これは、紅蓮の気だな」
そうか、奴は死んだか。
俺は一瞬、目を伏せ、クソガキに問いかける。
「聞きたいことができた、だが、一つ、聞かせてほしい、俺の弟子の最期、どうだった?」
クソガキが俺を正面に見つめ。
「かっこいい漢でした。最期はカレンさんと一緒に笑って俺に力を託してくれました」
「......なるほど」
道理で感じる、あの炎の中で紅蓮が俺を真っすぐに見つめている。
本気でやれと。
はぁ、弟子の分際で偉くなったもんだな、紅蓮!!
ふっと紅蓮が笑った気がした。
俺も本気を出すか。
「なぁ、クソガキ、この一撃を止めて見ろ」
剣を後ろに向け構え、俺は精霊詠唱に入る。
「重力の糞精霊よ、剣を倍に重くしろ、強化;倍重」
この精霊スキルは打ち合うたびに俺の剣が重くなっていく。
「さぁ、やるか」
「帝国流剣術:我流切り、重撃」
我流切りの重ね打ちバージョン+精霊スキルの影響で一撃、一撃を重ねた
攻撃は重さを倍にする。
「帝国流剣術:我流切り」
クソガキは紅蓮の剣の精霊の力で記憶を読み取ったのか、模倣する。
だが、
俺の攻撃が弾かれるはずがねぇ。
互いに最大限の攻撃、誰もこの場に止められるものは居なかった。
ただ、一人を除いて。
「はーい、やめてね」
ガシッと
俺とクソガキの剣は白色の長髪の女に止められた。
ちっ、いいところなのに。




