騎士団長の過去②
団長は両手で鎖を引きちぎった。
コキ、コキ
首を鳴らしながら、剣を持ち、部下を一人、また一人、と殺していく。
そして、俺の番になる。
「さようなら、悲劇の主人公ちゃーん」
男は斬られた。
「くっ!!」
そして、団長は別の目標に写る。
まるで、そいつが獲物だったかのように
そこには怯える長い黒髪の女性がいた。
「アリシア!! お願いします、助けてくだい」
男は団長に必死に懇願する。
「そういや、あの時も同じように俺に懇願していたな」
団長がいつも片目を隠している布を取る。
そこには右目に大きな傷ができていた。
「分かったか? 俺はあの時からお前を絶望に落とす為の計画を練っていたのさ、あぁ、右目が疼く」
「お願いします、彼女だけは、」
そして、団長は笑いながら。
「知るかよ、ボケが」
男の大切な女性を殺した。
「ああ、ああああああああああ」
「お前が強かったらな、全員助けれたのにな」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
その時男は貫かれた彼女を見た、わずかに口が動いていた。
頑張りなさい
男は彼女の安い剣を取り、団長に切りかかる。
「殺す、殺す、殺してやる」
「あぁ、あの時の殺意、いいぞ、いい、実にいい」
ガキン、ガキン、
男は無意識だったのかもしれない、段々と男のスピードが上がり、武器の操作の仕方、扱いの精度が格段に上がっていく。
そして、
見事、団長の剣を弾いた。
そして、
「帝国流剣術:我流切り」
一閃、ただ、それだけで、団長の屋敷、そして、団長が切られた。
男はそのまま気絶した。
これは騎士団長の記憶なのか?
【これ私の能力の一つ】
そこにはヴァニタスがいた。
【私も成長しているという事だよ】
「これはやっぱり、アイツの」
【これは剣の記憶、あの安い剣のね】
「やはり、そうか、だが、ヴァニタスの力ではないだろ?」
【うん、これは紅蓮の剣の精霊の力】
(あのクズ野郎、いや、騎士団長にそんな過去が、なるほど、だから、あの時、目を伏せて、辛そうな表情を見せたのか)




