強欲と虚無
『俺に勝てるか......いいだろう』
暗は黒色の刀を構える。
彼の冷酷な鋭い眼光が俺を突き刺し、俺に無理だと告げている。
(う、動けない!!それでも......俺は!!)
『この刀の名は強欲刀、俺の罪具だ』
「罪具?」
俺は聞いたことのない単語で彼に聞き返す。
『まぁ、いいか』
彼は黒い刀の先端を地面に引きずりながら、聞いてくる。
『俺の罪具の特性は強欲。触れた存在を奪うことができる』
(触れたものを奪える!!?)
『お前の武器はどこだ?』
「俺の武器か?あるさ、ここに」
俺は足をダァンと音を鳴らし、思いっきり踏んだ。
その瞬間、上からある物体が落下する。
俺はそれを片手でとり、握りしめる。
それは黒いステッキ。
「なぁ、一ついいか、俺、今から容赦しねぇから」
(思い出せ!!)
彼を右手でくいっと挑発する。
『は?』
彼は毒気を取られた顔をした。
悔しいだろうな、見下していたやつにそんなことされるなんて。
(思い出せ、あの時の感覚を、あの時の狂気を!!)
目を瞑りながら、
(あの時は......確か、)
「ゲームスタート」
(あぁ、そうか)
その瞬間に、彼が俺との距離を詰めてくる。
俺の目の前に罪具が振り下ろされる。
『死ね』
《《あぁ、おもしろい》》
ザシュッ
俺は何もしない。
そして、斬られ。
俺の存在は消された......《《はずだった》》
「はぁ、やっとなれた」
砂煙の中、俺はあの状態になることに成功した。
【灰色の霧】の状態に。
『やはり、そうか』
『じゃないと、おかしいもんな』
彼は何か納得したような顔をし、頷いていた。
「よそ見してていいのか?」
俺は彼の懐に潜り込み技を放つ。
「じゃあ、いくぞ、虚無魔法」
虚無魔法を発動し、放つ
『ほらよっと』
彼は、俺の攻撃を刀で切る。
その隙に俺は刀に触れる。
「全てを奪う罪具だとしても、虚無と強欲、無と有。触れると思った」
『気づいていたのか、だが、だから、どうした?』
その通り、折れると思ったが折れない。
だが、しかし、《《そろそろだ》》
『くっ!!?お前何したんだ。知らない記憶が入ってくる!!?』
「さっき、斬られたと同時に、父さんの第六感の応用でお互いの記憶の共有をさせてもらった」
『何でそんなことが!!?......まさか、あの時か』
「あぁ、あの俺を父さんが切る瞬間に記憶と同時に告白されたんだ」
『なるほど、はぁ、くそ親父』
「なぁ、暗、お前の気持ちを分かるとは言わない、だが、少し考えなおしてくれないか?この世界だって悪くない」
『この世界の事を何も知らないお前がか?』
「俺は何も知らない、だからこそ、世界が好きなんだ」




