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虚無の精霊使い~愚者と呼ばれた異端者は世界を支配する   作者: 誤インキャ様
1章帝国編

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妹よ、俺を見るな


「ば、ばぶ」(意訳:もう無理だ~)


僕は赤ちゃんの姿のまま、頭を抱えた。


「ふむふむ、もう無理? お兄ちゃん、来なさい」


おいでと彼女が両手を広げてくる。

彼女は満面の笑みでこちらに向かってほほ笑んでいた。


だが、俺が驚いたのそこじゃなかった。


「ば、ばぶ、ば?」(意訳:え? お兄ちゃん? 僕が)

「気づいてなかったの? 黒乃、同じでしょ?」


本当だ、気づかなかった。

嬉しかった。

目頭から熱いものがこみあげてくる


「おぎゃああああああああ」(意訳:うれしい!!)


よしよしと彼女は僕を抱っこしてくれた。


「少しいいかな、お兄ちゃんの状態なんだけどね、それは呪いなの」

「呪いを解く言葉は???っていえばいいんだよ」


内容を彼女から聞いて絶句した。

もう一度言おう、絶句したのだ。


「ば、ばぶば!!」(意訳:もう、赤ちゃんでいい!!)

「私あたしはそれでもいいよ」

「記憶が戻ってるお兄ちゃんなら安心だけど、今のお兄ちゃんだと不安だし」

「ば!! ばぶ?」(意訳:ほ!!本当にいいの?)


しかし、その瞬間思い出した。

ここに来る前に彼と交わした約束を。


『漢と漢の約束だぜ』


僕は彼と約束したんだ。

必ず、また会おうって。

それに彼は絶対帰ってくる。


(僕なんかより強いし)


僕は彼が来る可能性を信じ彼女に一言。


「ば、ばぶ」(意訳:お願い、教えて)

「分かったよ」


しかし、彼女の眼には少し失望の色が見えた気がした。

何かおかしなことを言ったのだろうか


「こっちにおいで、一緒に行こ」


僕は彼女に抱きかかえられながら、一緒に目的地に向かった。


「着いたよ」


いつの間にか町にいた。


「ば?」(意訳:え?)


彼女を見ると冷静だった。

今度は町を見渡した。


沢山の人がいた。

買い物、学生、会社員、それはもう、本当に沢山の人たちがいた。


「ここはね、私あたしの記憶で一番印象が強いところ」


彼女は目線をある家族に向けた。

黒色の短髪の男性、お父さんだろうか。

黒色の長髪の女性、お母さんかな。

そして、黒色の幼い女性......そう、容姿は今の彼女の容姿と瓜二つだった。


僕の家族だったのだろうか。

僕は彼女に聞いた。

「ば、ばぶ」(意訳:ねぇ、あれが僕の家族?)

「そうだよ」

「ば、ばぶ?」(意訳:ねぇ、僕はどこ?)


「......」

彼女はその問いに関しては答えなかった。

いや、答えられなかったのだ。

何故なら、


突然、目の前で大きな爆発が起きたから


幸い、僕たちには影響なかった。

彼女曰くこれは過去の出来事、過去が現在に干渉はできないとのこと。


僕は彼女の目線の先にあるものを見た。


「!!?」


衝撃だった、そこにいたのは。


「ばぶ」(意訳:僕だ)


そして、幼い彼女だった。


「これが私とお兄ちゃんの出会い」


彼女は語りはじめる。

それと同時に目線の先の僕たちも動き始めた。


「お兄ちゃんね、あの爆発の中心にいたんだ」


どくん、どくん、どくん


僕は黙って聞く。

さっきから心臓がうるさい。


どくん、どくん、どくん


<目線の先にいる僕らは無数の魔物に囲まれていた。>



嫌な可能性を排除したい。

僕は、目の前の彼女の言葉を聞きたくなくて彼女にとびかかり、彼女の首に手をかける。

1秒たつごとに力を強く入れる。


「......」


苦しいはずなのに苦しい顔を見せない彼女。

僕は恐ろしくなり、手を緩めた。



<気づいた、目線の先にいる僕らをかこっているはずの無数の魔物が全部死んでいるのだ、そして、その中央には僕と6枚の翼をもった生物がいた>



「「・・・いいよ。殺して、私はね、存在したらいけないんだ」」


目線の先の彼女と目の前の彼女の言葉が重なる。

僕は彼女が怖くて、後ろに後ずさる


(こわい、こわい)


だが、目線の先の彼だけは違った。

彼女の胸の中心に手をやり、何かを呟いていた。

すると、その生物は幼い彼女に戻っていた。


「私はあの日、彼に救われた」

「まったく関係のないのに、私を直してくれたの」

「嬉しかった、そのとき、恋をしたの」


彼女はまるで恋に落ちた乙女のように今の状況を語る。


「でも、すこし、君にはがっかりだよ」

「同じ魂といえ、状況が違えばというやつだね、でもね、私は君を守るよ、好きだから」


彼女がそういった瞬間、時間が巻き戻った。

あの瞬間に、6枚の翼をもつ生物が魔物を倒し切った瞬間に。

あの時と違うのは、過去の僕は倒されていることだ。


そして、6枚の翼をもつ生物は、にやりと笑い、ぎぎぎとこちらを見てきた。


「君、今すぐ逃げて、アイツにはかなわないから」

「あの扉を抜ければ、次の記憶へ進める、呪いも解けるよ行って、はやく」


僕は逃げた、赤ちゃんのまま、陸上選手のように。

遠くでは、生物と彼女の戦闘音が聞こえる。


(そうだ、彼を呼ぼう、そうすれば、皆助かる)


僕は金色の扉の前まで来た。


扉のタイトルはこの命は民の為に。


僕にはそんな力はない、ないんだ。

彼は、僕が失う前の記憶があるから強いんだ。

堂々としてて、頼りがいがあって。


(本当にそうか?)


嫌な思考を俺の心が否定する。


(本当にそう思うのか?)


正直、できる気はしない、この金色の扉の主のように己の命を誰かのために使うことはできない。


ドアノブを握る。


そして、強く握る。

ただ、彼女は、言ってくれたんだ、僕に好きだって、告白してくれたんだ。


「僕は助けたい」


答えないとその気持ちに、想いに。


俺は彼女の元に駆けつけるため。

陸上選手のように走った。


そして、生物の放った攻撃が彼女に直撃する瞬間、

僕は叫んだ。


「おぎゃぁあああああああああああああああああああ」


僕の声で攻撃が掻き消された。

彼女が。

「な、なんでそんなこ!!?」

「ば、ばぶりあん」(意訳:妹、超絶可愛すぎる扉、はぁはぁ、ラブラブ、チュー)


僕は、いや、俺は五葉にキスをした。

妹から教えてもらった呪いを解く言葉、それは妹、超絶可愛すぎる扉、はぁはぁ、ラブラブ、チュー


「愛してる、五葉」

「思い出したの?」

「いや、記憶は全く戻ってない、だけどな、一つ確定していることがある。

お前は俺の妹なんだ、大切な妹なんだよ、だから守る、さっきは本当にすまなかった」


(ここは俺の精神世界だ、ならできる、俺はできる)


俺は俺自身を信じる。


「こい!!俺の力」


その瞬間、空中に一本のステッキが落ちてきた。

俺はそれをつかみ。


謎の音楽が流れる。


「よし、これで、マ・ジ・カ・ル変身」


思いっきり振った。

地面に食い込むステッキ。

ステッキから謎の黒色の霧が出てきて俺を包む。


謎の音楽がー流れております。


俺の全身が黒色に輝く。

短髪の黒髪は長髪のサラサラ黒髪へ。

少し鍛えていた筋肉は立派な巨乳へと。


「貴方のハートをデストロイ」


俺はいつの間にかステッキからメリケンサックへと変わっていたため、そのまま岩を砕いた。


「魔法少女マジカル空、見参ですわ」

「さぁ、貴方のハートを壊します」


「「......」」


二人の目線が痛い。


「くっ、殺してくれ」


俺は全力で現実から逃げた。


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