マスコミと陰謀
「心外だな、俺の名前は薄影 暗、君と昨日いたじゃないか?」
俺はぺータにそう告げた。
「良かったっ!!、無事で!!」
彼女は泣いて喜んだ
彼女の顔は疲れに満ちていた。
「・・・・・・。ごめんな」
「成長した理由を聞かないのかい?」
「いいよ、無事でいてくれただけで」
「ありがとう」
彼女は俺に抱き着き、バンバンと胸板をたたく
正直、痛い。
だけど、やめさせる理由にはならなかった。
「それで、さっきの行為の説明を求めます」
「あれ、それこそいらなくない?」
「一・番・重・要・です!!」
彼女の気迫に俺はたじろいだ。
俺はこれまでの経緯を説明した。
ぺータの家を抜け出した後、ネロに出会い、そのまま朝チュンしたことを
ぺータが俺が誘拐されたと勘違いしていたためそこも訂正しておいた。
その中で知った。
「えっ?姫様だったのか」
「有名な帝国の姫様なんだけどね」
「あ、思い出した」
いかん、いかん、忘れていた。
「あ、ぺータ、俺たち、恋人になったから」
「え?マジ?」
ぺータが慌てている姿を見て俺は面白おかしく見ていた。
余程、信じられないことなのだろう
「はい、私たちは昨日を持って付き合い始めました」
「え、本当ですか、姫様」
「はい」
信じられないという表情だった。
俺とネロは恋人つなぎをした。
アピールをした。
「・・・それはよかったですね」
何故か、ぺータが悲しそうな顔をしている。
「ダメだよ、ダーリン」
「だ、ダーリン!!?」
ぺータの頭が爆発した。
ボンっって
もちろん擬音だから安心してくれ
俺たちはぺータを抱きかかえ、店を出ようとする。
1階にはマスターがいた。だが、表情が少し困っている。
俺たちの存在に気付くと溜息をつきながらこちらに来た。
「あんちゃん、2つ言わせてくれ」
「まず、音楽は少し抑えようなっ。分かるから」
「あとは、外の事なんだが」
マスターが目線を宿屋の外に目線をやる
外が騒がしいのだ
「分かってる、《《マスター迷惑かけるぞ》》」
「あんちゃん、まて、あれは」
俺はしなければならないことをする為、ネロにぺータを任せ、宿屋の扉を両手で思いっきり開く。
そこにはおびただしい数のマスコミ
情報が早いな
仮にも帝国の姫だ。
今朝聞いた時点で覚悟はしていた。
「すみません、タレコミがあり、ここにネロ皇女殿下と宿屋に泊まられたとお聞きしたのですが、それは真実でしょうか?」
「真実だよ」
「ネロ皇女殿下に婚約者がいることもご存じで?」
彼女はギロリと俺を睨みつける。
俺は目の前にいた茶色の髪の毛の女の子に近づき、耳元でささやく。
「あぁ、知ってるよ。それより、君さ、可愛いね」
「彼女から離れろ」
「おっとっ」
彼女の目の前に立ったのは彼女と同じ所の人間なのだろう。
男が俺と彼女のやり取りを見ていられなかったのか仲裁に入った。
(引っかかった)
俺は彼の耳元であることを囁く
「ねぇねぇ、少しさ、利用されてくんない?」
「じゃないと、彼女、いや、シイナちゃん殺すから」
「な、何故、シイナの名を」
「俺は何でも知ってるよ、君たちが付き合ってることも」
「そして、シイナちゃんが少し特殊な立場であることも」
彼は分かったという様子で頷いた。
「・・・で、俺は何をすればいい」
「いや、簡単なことなんだけどさ、今からいうことを実行してくれればいい」
俺は男の耳元であることを囁いた
「・・・わかった」
彼は少し間を置いたが今の状況ではどうしようもないためただ頷くしかできなかった。
「よし、みんな帰った帰った」
「じゃないと、殺すぞ」
俺は全体に殺気を送った
一番これが手っ取り早い。
何人かのマスコミは気絶や嘔吐をしており、だが、目の前のシイナちゃんや彼は気絶をしていなかった。苦しい振りはしているが。
(わざわざそんな演技しなくてもいいだろうに)
俺は扉から少し顔を出していたネロと一緒に宿屋を出た。
「そういやさ、呼び方はどうすればいい?」
「え?もしよかったら、ハニーだと嬉しいな」
「いやそれは嫌だ」
「じゃネロでいいよ」
分かったと俺は頷いた。
後ろで、何名かが必死に写真を撮っているが、マスコミ魂すごいな
<宿屋のおっちゃん>
「・・・行ったか」
「はぁ、アイツら面白かったな」
なぁ、ドールと俺は囁いた
そこには母親と娘がいた。
しかし、彼が囁くと突然彼女たちは倒れた。
そこから人の形をしたものが出てくる。
「アナタ、これでよかったのかしら」
彼女の名はドール、人形の精霊だ
人形にしてはやけに人間味があるが
「まさか、あの方の指示とはいえ、本当に出会うとはな」
「えぇ、本当に」
「それにしてもあんちゃんの顔どこかで見たことがあるんだが」
「・・・・・・そう」
「申し訳ございません、殿下、今、宜しいでしょうか?」
俺はどこからとなく呼ばれた声により意識をマスターの主人から離した
マスターの主人は倒れた。
「わるい、呼ばれちまった、行くぞ」
「はい、アナタ」
意識を戻すと目の前には豪華な装飾がたくさん置いてある。
「俺の部屋だ」
いくかーと扉を出る
そこにはメイド長のアーシアがいた。
「悪い悪い、寝てた」
「殿下、陛下がお待ちです」
ネロも元気そうだったしな
良かったよ
俺なら5年前からあんなことになっていたらたえられない
「くくく、あはは」
はぁ、あまりにもおかしく
かわいそうでみじめな妹の姿を思い出すと腹がよじれそうになる
さぁて、そろそろ始めますか
この帝国の崩壊を
あぁ、おもしろい




