↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で100万人都市を作って、生乾き臭い女神様を元気にします!  作者: んひー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/35

第二十九話:ギルド長ゴードン

ギルドの受付カウンターに着くと、サットウが前に進み出た。

「すみません、ギルド長様に伝言をお願いしたいのですが」

受付の女性は少し驚いた様子を見せたが、すぐに柔らかく微笑んだ。

「ちょうど今、裏にいらっしゃいますので、お呼びしてまいりますね」

「え、今すぐに……?」

思っていたよりも早い対応に、俺たちは思わず顔を見合わせた。


しばらくすると、奥の部屋からドスドスと重い足音が響いてきた。

現れたのは——六十代ほどに見える、筋骨隆々のマッチョな老人だった。

日に焼けた肌に、太い腕、着ている服の上からでも分かるほど盛り上がった筋肉。とても「ギルド長」という言葉のイメージとはかけ離れた風貌だった。

「……おお、噂の連中はお前さんたちか」

「俺はギルド長をやっているゴードンだ。兼業で王もやってる」

野太い声で、老人はそう言いながら、値踏みするようにこちらを見渡した。

俺は「王の方が兼務かよ」っとツッコミそうになったが踏みとどまった


サットウが一歩前に出て、丁寧に挨拶をした。

「お初にお目にかかります。私、サットウと申します。こちらがコウジロウ様、こちらがミア、そしてアリサです」

順に紹介されるのを聞きながら、俺は挨拶もそこそこに、思わずギルド長へとステータスのスキルを発動させていた。

——だが。

(……見えない?)


いつもなら瞬時に表示されるはずのウィンドウが、今回はまったく浮かび上がってこなかった。

「……ん? お前さん、何かしたかの?」

ギルド長が、鋭い目つきでこちらをじっと見た。

(……気づかれたのか)

俺は一瞬迷ったが、隠しても仕方ないと判断し、正直に白状することにした。

「すみません……実は、ステータスを見るスキルを持っていて、あなたに使わせてもらったんですが……なぜか、見ることができなくて」

「ほう」

ギルド長は特に驚いた様子もなく、ふむ、と顎を撫でた。

「なるほどな。俺には、他からの干渉を回避するスキルがある。だから、効かなかったんだろうよ」

「……怒らないんですか?」

俺が恐る恐る尋ねると、ギルド長はニヤリと笑った。

「構わん。むしろ、正直に言ったこと、評価してやる」


そして、その笑みをすっと消し、代わりに真剣な表情を浮かべた。

「それより——事の経緯を教えてくれ。始まりの荒野で、一体何があった。……そして、今、あの地はどうなっている」

俺は静かに息を吸い込むと、これまでの出来事を順を追って話し始めた。

勇者と魔王を倒したこと。

人間と魔族が種族の隔たりなく共に暮らす村を作ったこと。

そして、村を脅かそうとしたダグローズを退けたこと。そして今回、この街には、村の生活道具を買い出しに来たこと。


話を聞き終えたギルド長は、しばらく無言のまま、腕を組んで唸っていた。

「……にわかには信じがたい話だな」

「ですよね……」

「だが」

ギルド長は、俺の後ろに控えるサットウとミア、そしてアリサへと視線を移した。

「元・勇者軍の人間が二人、そして猫獣人まで従えている。……この面子が揃っているとなると、嘘とも思えん」

同行してきたメンバーの存在そのものが、何よりの証明になっているようだった。

「……なるほどな」

ギルド長は静かに頷きながら、じっと俺を見つめ続けるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。