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修羅界大乱戦

修羅界第一層。


 黒鉄城前。


 黄金の閃光と漆黒の斧が激突する。


 轟音。


 衝撃波。


 大地が割れ。粉塵が巻き上がる。



 牛魔将軍ゴルド。


 黒斧将軍ヴァルド。


 二人の激突はもはや怪物同士の戦いだった。



 ドゴォォォォォン!!



 ゴルドの拳がヴァルドの腹へめり込む。


 ヴァルドの巨体が吹き飛んだ。


 黒鉄城の城壁を三枚貫通する。



 修羅達が絶句した。



「ヴァルド将軍が押されている……」


「ありえない……」


「四大将軍だぞ……」



 瓦礫の中。


 ヴァルドは膝をついた。


 口から血を吐く。



「クソが……」



 ヴァルドは理解が追い付かない。


 自分が押されているだと!?



 ゴルドは拳を握る。



「まだやるか?」



 ヴァルドは笑った。



「当然だ。」



 しかし。



 その瞬間だった。



「ヴァルド将軍!!」



「加勢するぞ!!」



「将軍を守れ!!」



 数万の修羅兵が一斉に動いた。



 修羅王軍。


 全軍突撃。



 黒い濁流のような軍勢がゴルドへ襲い掛かる。



 ゴルドは目を見開いた。



「え?」



「タイマンじゃなかったの!?」



 修羅達は叫ぶ。



「勝てば正義だ!!」



「修羅界に卑怯なんて言葉はねぇ!!」



「数も力だ!!」



 ゴルドは顔を引きつらせた。



「修羅界最低だな!!」



 ラックは頷いた。



「うん。」



「だから地獄なんだ。」




 次の瞬間。



 ラックは後ろを振り返る。



「フォリエラ。」



 水竜将軍フォリエラが前へ出た。



「はっ。」



 ラックは笑う。



「指揮を任せる。」



「好きにやれ。」



 フォリエラの瞳が輝いた。



「承知しました。」




 次の瞬間。



 知将の顔になる。



「全軍。」



「戦闘開始。」




 その一言で空気が変わった。



 紫帝軍が動く。




「ガルザ。」



「中央突破。」



「了解。」




「ザンガ。」



「右翼制圧。」



「任せろ。」




「ゴルド。」



「ヴァルドだけを見なさい。」



「他は私達が処理する。」



 ゴルドは頷いた。



「了解!!」




 戦場が爆発した。



 大乱戦。



 修羅界戦争の始まりである。




 魔猴将軍ガルザ。



 黒い雷を纏う。



「邪魔だ。」



 拳を振るう。



 数百。


 数千。


 数万。



 修羅兵が吹き飛ぶ。



 まるで暴風だった。



「化物だぁぁぁ!!」




 右翼。



 赤鬼将軍ザンガ。



 巨大な刀を振り回す。



「野郎ども!!」



「新しい主君のために獅子奮迅の働きを示せ!!」



「おおおおおお!!」



 昨日まで敵だった修羅達が歓声を上げる。



 修羅は強者に従う。



 ザンガが認めた。



 それだけで十分だった。




 そして。



 最も恐ろしかったのは。



 フォリエラだった。



 戦場後方。



 彼女は全軍を俯瞰する。



「左翼第三隊。」



「百歩後退。」



「敵を誘導。」



「中央第五隊。」



「挟撃準備。」




 命令が飛ぶ。



 軍が動く。



 まるで巨大な生物だった。




 修羅王軍が気付く。



「まずい。」



「囲まれてる。」




 だが遅い。



 既に罠の中だった。




 フォリエラは静かに微笑む。



「包囲完了。」



「殲滅開始。」




 その瞬間。



 紫帝軍が一斉に襲い掛かった。



 修羅王軍は崩壊を始める。




 一方。



 中央。



 ゴルドとヴァルド。



 怪物同士の戦いは続いていた。



 ヴァルドは周囲を見る。



 味方が敗走している。



 包囲されている。



 押されている。




「馬鹿な……」



「たった数万で……」




 ゴルドは笑った。



「違うぞ。」



「俺達は数万じゃない。」




 ヴァルドが眉をひそめる。




 ゴルドは親指で後ろを指した。



 そこには。



 腕を組みながら戦場を見ている紫帝ラック。




「陛下がいる。」




 その言葉に。



 ヴァルドは初めて寒気を覚えた。




 この軍の本当の怪物は。



 まだ一度も戦っていない。




 ラックは静かに笑った。



「さて。」



「そろそろ修羅王も出てくるかな。」




 その瞬間。



 黒鉄城の奥から。



 天を揺るがすほどの殺気が放たれた。




 第一修羅王。



 戦鬼王バルグラム。



 ついに動く。

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