第3話 PC3オープニング「去る老兵と、来たる新風」
ローランが応接間に入ると、懐かしい人物がソファに体を沈み込ませていた。
大柄な体躯はゴツゴツした筋肉で覆われ、着崩した軍服の間からは縦横に走る傷跡と、それよりもなお色濃い邪紋が垣間見えている。
髪には白いものが混じり始め、杖を携えてもいたが、それでもその眼光からは、歴戦の戦士といった風格が窺えた。
――”竜将軍”バッシュ。混沌の力で竜に変じる『竜模倣者』の邪紋使いにして、ルーミル一の猛将。
……そして、ローランをロドクルーンの武官に取り立ててくれた、恩人である。
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GM :ほいじゃ次PC3、ローランですねー。
ななむ :はいよー。
GM :今回はバッシュ、ローランの以前の上司ですね。その人に呼び出された所です。
ななむ :はいはい!
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バッシュ:「おう、帰ったかローラン! 無事に姫様を守り切ったようだな?」
ソファーに深くもたれ、軽く手を上げて挨拶するバッシュ。ローランも返礼に手を上げ返すと、ソファーの体面に座り込む。
ローラン:「おぅバッシュの叔父貴、久しぶりだな! ま、中々しんどかったが、あんたに頼まれたことだ。俺がヘマするはずもねぇわな」
バッシュ:「そうかそうか、壮健そうで何より。……で、一応聞いときたいんだがよ。お前から見てあの姫様は、国を背負う覚悟と力ってやつを持ってんのか?」
そう問いかけながら、バッシュは酒瓶と酒杯を取り出し手渡して来る。ローランは手慣れた様子でそれらを受け取り、二人分の酒を注ぎながら返答した。
ローラン:「力はそこそこあるし、心意気に関しちゃあ俺は太鼓判を押すね。……ただ心意気が立派すぎて、それに押しつぶされやしねぇか心配なくらいだ」
バッシュ:「……なるほどな。まぁその点に関しては、あの姫様は結構恵まれてる。お前を含め、周りに何人もの仲間がいるからな。お前らが何とかしてやりゃあいいんじゃねぇか?」
ローランの答えに何を感じたか、バッシュはにやりと笑顔を見せると、注がれた酒をグイと飲み干した。
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GM :とまぁ何か、ものすっごく適当な事言いますねコイツw
ましろ :the・丸投げw
amida :何にも考えてねぇだろコイツw
ななむ :じゃあ、「全く、第一線を退いたからって好き放題言いやがって!」と肩をバンバン叩く。
GM :「おぉそうそう、前回の戦いで膝に矢を受けてしまってな!」と返しますw
ましろ :出たー!「膝に矢を受けてしまってな」!w
ななむ :どこのスカイ〇ムですかねぇw
ニーグ :門番にでもなるのかな?w
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ローラン:「はっ。あの”暴れ竜”と言えど、寄る年波には勝てねぇか?」
苦笑しながら、ローランも酒に口をつける。長い付き合いで、ローラン自身バッシュの衰えは察していたが、まさかただの弓矢で戦場に出られなくなるとは思いもしなかった。
バッシュ:「ガッハッハ! まぁその代わり、俺のせがれがそろそろまともに戦える年齢だ。後はあいつが何とかしてくれるだろう」
ローラン:「ん? ちょっと待て。あんたの息子っつったら、オド坊だろ? ……あいつ今幾つだ?」
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GM :あーえっと、幾つだっけ?
電磁炉 :11歳です。
ましろ :なんや、リオンより年上やん! じゃあ十分戦えるな!w
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ローラン:「おいおい、リオンの小僧ほどじゃねーにしろ、まだ子供じゃねぇか! どうせ邪紋使いなんだろうが、いいのかよ?」
バッシュ:「なぁに、俺の息子だぜ? 問題ねぇよ」
全く心配する様子もなく、笑って杯を空けていくバッシュの姿に、ローランは呆れながらため息をつく。
ローラン:「……チッ、そこまで言われちゃしゃぁねぇな。まぁ、手ほどきくらいはしてやらぁ」
バッシュ:「あぁ、よろしく頼む。……それと、若干話は変わるんだがよ」
ローラン:「あん?」
コトリと音をさせてコップを置くと、バッシュは表情を一変させ険しい顔になる。空気の変化を感じ取り、ローランも酒杯を運ぶ手を止めた。
バッシュ:「……あの姫様に国を背負う覚悟と力ががあるってんなら、早いとこ王位を代わってやってくれ。……アルバンは、そろそろ限界が近い」
身を乗り出し、声を潜めて話しだすバッシュ。張り詰めた表情からは、アルバンの身を心底案じていることが見て取れる。
ローラン:「まぁ、そうだろうなぁ。あのおっちゃんは、平和な時に君主やってんのが一番似合うわ。……このご時世にはキツい」
バッシュ:「そういう事だ。奴の聖印の力は、戦闘には向いてないからな。……前線で頑張っちゃあいるが、味方の戦力になれないことが、奴の精神に堪えてるんだよ」
ローラン:「あいつもあいつで、気負いすぎなんだよ。全く、君主ってのは責任感ばっか強くていけねぇ。……ま、とっとと姫様に王位を分捕ってもらって、あいつは宰相としてでもこき使わせて貰おうじゃねぇか」
バッシュ:「あぁ、そうしてくれ。俺はなんだかんだ言って奴の……アルバンの唯一無二の親友だからな。だからこそ、あいつの精神がすり減っていくのを見てられねぇのさ」
ひとしきり語り終えると、バッシュはもう一杯酒を呷ろうとして……すでに空になっていたことに気づいて、腕を下ろした。
バッシュ:「ま、姫様がケネスとひっついてくれりゃ、この戦況も覆せそうなんだがよ」
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ローラン:ん? 誰とひっつくって?
GM :ケネス。新キャラですね。別にこのキャラについて聞いてくれてもいいよ?
ローラン:え~っと、そのケネスってのは、ローランが知ってる人?
GM :いや、PC達が国外に出てから力を付けて来た奴なんで、知りません。
ローラン:おーけぃ。
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ローラン:「ケネス? 何だそいつは。縁談の話でもあんのか?」
バッシュ:「あぁ、うちに所属してる君主で、ディーノの息子だよ」
ディーノ。それは戦死したルーミルの前王であり、現王アルバンの兄であり……反乱を起こし、フレアの父を追い落とした者の名だ。
驚愕に目を見開くローランに、バッシュは淡々と、諭すように話し続ける。
バッシュ:「姫様からしたら色々思うところのある相手だろうが、あいつは出来た男だ。その一方で、自分は絶対に王位に付きたくないって言うもんだからよ。家柄があり、優秀で、変な野心もないってことで、俺からしたらそいつと姫様がひっついてくれるのが一番安泰なんだよ」
ローラン:「……まぁ、政略結婚は貴族の常だろうが、惚れたはれたは神さんの気まぐれだからなぁ」
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ななむ :(チラッとニーグラムの方を見る
ましろ :え? いや待って、フレアのヒロインにはシェリーがおるやん?
ニーグ :ん?(手を翳して加護を与えるポーズ
ましろ :神様ー!?
GM :《神性:縁結》……えんむすビーム?w
ましろ :いやいや、イスキューロン神の加護は、毎回ロリっ娘との縁を結んでくれることのはずだからw
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ローラン:「ま、その辺は姫さんに任せるさ。……じゃ、そろそろいいかい?亡命中は日銭稼ぎの大工仕事ばっかりだったからな。身体を慣らしておきてぇんだよ」
立ち上がり、グルグルと肩を回すローランに、「お前も大変だな」と退出を許可するバッシュ。そして部屋を出ていく寸前、バッシュが思い出したように付け加えた。
バッシュ:「あぁ、そうそう。……デイモスって補佐官には気を付けな。奴は少々厄介だぞ」
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ななむ :成程……。じゃあその言葉には返事せず、背中越しに手をヒラヒラ振って、礼を言いつつ帰ろうかな。
GM :はい、じゃあこれでPC3のオープニングは終了です。
次回の投稿は、2/6(火)0:00の予定です。