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この物語の記述について
人間は、一度考えたことを、二度と考えなくなるわけではない。
同じことを何度も考え、同じ疑問に立ち返り、分かっているはずのことに、また悩む。解決したと思った問題が、形を変えて再び現れることもある。
現実の人間は、物語の都合に合わせて、きれいに考えを整理できるわけではない。
本書、とりわけ第二章には、同じような考えや表現が繰り返し登場する。
それは、単に文章を重ねたかったからではない。
同じ問題が繰り返されること。同じことを考え続けること。そして、考え続けても、必ずしも答えにたどり着けるわけではないこと。
そうした人間の性と、現実の中で起きていたことを、できるだけそのまま残したかった。
読みやすさのために整理することもできたかもしれない。
けれど、整理することで失われるものもある。
だから、あえて残した繰り返しがある。
それもまた、この一年間の記録の一部である。
第二章では自分の目線から、第三章では相手の目線から、同じ出来事を描いています。 同じ出来事でも、立場が変われば見え方は変わる。その違いを感じてもらえたらと思います。




