表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
71/78

第69話 「離せない」 (陽向編)


こはたんが、変わった。



誰が見ても、


同じ。



文化祭の準備が始まる。


でも、


空気は重い。



当たり前だ。



彼女が、


彼女じゃなくなったから。



こはたん。



「うちのクラス何出すんだっけ?」


「……なんでもいいわよ」


「気持ちはわかるがな。はぁ、たこ焼きだ。前に話してただろ」


「そっか!んじゃ準備しないとなー!」


「なんで?」


「え?」


「こはちゃんがあんな状況なのに、なんで笑うの!!やめてよ!!」


「……」


「なんで平気なの、私は……うぅ」


走り去る。



「……」


「成瀬、お前は悪くない。高梨のメンタルの問題だ。気にするな」


「……おう」



平気なわけ、


ねぇだろ。



なんだよ、それ。



俺がなんとかできないから、


せめて、


せめて、


普段通りにしたかっただけだろ。



そしたら、


戻るかもって。



前みたいに。



……思っただけだ。



あー。



ごめん。



空気読めねぇんだわ。



こはたんいないと、


俺、


ダメなんだわ。



偽物なんだよ。



一人じゃ、


何もできねぇ。



こはたん。


こはたん。


こはたん。



そばにいさせてよ。




屋上。



誰もいない。



わかってた。



来ない。



余計なこと言ったし。



嫌われたし。



もう、


そばにいられない。



俺、


いらなくね?



なんで生きてんだろ。



存在価値、


ねぇじゃん。



役に立つどころか、


傷つけるとか。



ありえねぇだろ。



……あれ。



なんで。



こんな。



こんな気持ちになるなら。



最初から――



「……ひーくん」



振り返る。



こはたん。



「……こはたん」



なんで。



どうして。



来たんだよ。



俺のこと、


嫌いじゃないのかよ。



わかんねぇ。



何考えてんのか。



怖ぇ。



でも。



そばにいてくれよ。



こはたんがいない俺、



壊れる。



「こはたん、こはたん……こはたん!」



抱きしめる。



止められない。



依存したくねぇのに。



欲しくて。



そばにいてほしくて。



一人にしないで。



お願いだ。



「……」



離れない。



拒まない。



それだけで、



心地いい。



やばい。



このままじゃ。



ダメだって、


わかってんのに。



止められねぇ。



欲しい。



欲しい。



欲しい。



「こはたんがいないと、お、れ」


「たえ、られない」



「こわい」



「そばに、いて?」



「……」


「……うん」



ぎゅっ。



抱き返される。



「俺、離せないよ?」


「いいの?」



こくり。



頷く。



「こはたん」



抱きしめる。



壊れてる。



違う。



でも。



それでも。



欲しい。



愛してる。



そばにいさせて。



俺のこと、


感じてよ。



もっと。



もっと。



深く。



俺を、


求めてよ。



大好き。



愛してる。



――離さない。


貴重なお時間ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ