第56話 れんれんと遊園地行ったよ!
「うわーい!夏休みだーー!!」
くるくると回る、小春。
「うーん、何しよー」
「小春ー」
「あっ!お兄ちゃん!!」
「どうしたの??」
「はいこれ、プレゼント」
「わあーー!!」
「遊園地のチケット!!いいのー??」
「俺はバイトあるからな」
「小春が使って」
「わーい!!」
「玲奈ちゃん暇かなー??」
「楽しんでこいよー」
「はーい!ありがとお兄ちゃん!」
手を振る背中。
「よーし!電話で聞いてみよ!!」
――不在。
「うーん……」
「あっ!」
「れんれんは都合空けとくって言ってたよね!」
「誘ってみよー!!」
⸻
「れんれんーー!!」
「おう、小春」
「来てくれてありがとう!!」
「玲奈ちゃん彼氏とデートで来れなかったのー!」
「そりゃ残念だったな」
「れんれんは大丈夫なの??」
「小春が最優先だからな」
「えへへ!やったーー!」
「嬉しいなー!!」
「んじゃ、お姫様」
「デートに行きましょうか?」
「デート??」
「おう、エスコートするぜ」
「デートかどうかはわかんないけど!」
「よろしくー!!」
「ははっ、わかんねーのが小春らしいな」
「えー?それ褒めてるーー??」
「お前デート何か知ってるのか??」
「もちろん!!」
「大親友とのお出かけ!!」
「……ぷっ」
「え?違うの??」
「いや、いい」
「そのままでいてくれや」
ぽん、と頭を撫でる。
「お前のそういうとこ、踏まえて全部好きだぜ」
「うん!私もれんれん大好き!!」
「おうおう、もっと大好きになれや!!」
「はーーい!」
「ちなみによ」
「彼氏は何かわかってるよな??」
「れんれん!馬鹿にしてる??」
「流石にわかるよ!」
「異性の親友のこと!!」
「……おう、そうだな」
少しだけ、遠くを見る。
⸻
「うわー!!人いっぱいだよー!!」
「はぐれねーようにしねーとな」
「手でも繋ぐ?はい!」
差し出される手。
「いや、それじゃあ危ねーな」
ひょい、と持ち上げる。
肩の上。
「ひゃーー!たかーーい!!」
「すごーーい!!」
「これなら安全だな」
「うんうん!!」
「よーし!れんれん行くぞーー!!」
「しゃあ!どっから行くべ!」
「全部制覇だよーー!!」
「ははっ!任せとけー!」
⸻
走って、
笑って、
叫んで。
気づけば時間が過ぎていく。
⸻
「ふあーー!!美味しい!!」
「走り回ったから染みるなー」
「えへへ!れんれん楽しいねー!」
「おう」
差し出すアイス。
「ほれ、食っとけ」
「わーい!!」
ぱくっ。
「うまいか?」
「美味しいー!!」
「れんれんありがとう!!」
(間接キスとか、反応しねぇよな)
(わかってたけどよ)
「ふっ」
「うまそうに食うよな、小春は」
「うん!一緒に食べると美味しい!!」
「一緒に……そうだな」
(誰かと飯を食う)
(そんな当たり前、忘れてたな)
⸻
「れんれん!!」
「あーん!!」
すっと差し出されるスプーン。
「……あむ」
「美味しい??」
「おう」
「世界一うまい」
「あはは!れんれんアイス好きなんだねー!!」
「小春のアイスが好き」
「ええーー??何それー??」
「ははっ」
(無意識にやるとか)
(ずりぃよな)
ちらりと見る。
(ほんと)
視線を逸らす。
⸻
「観覧車、乗るか」
「わーー!好きーー!!」
「高いもん!!」
「なら余計にな」
⸻
高い場所。
小さな箱の中。
ゆっくりと上がる。
「れんれん!みてみてー!!」
「高いよーー!!」
「そうだな」
景色じゃなく、
小春を見る。
「あはは!」
「れんれん、私じゃなくて景色見ないと」
「小春見てる方が楽しいからよ」
「何それー!?」
「私の顔面白いー??」
「いや、可愛い」
「れんれんはかっこいいよ!!」
「おう」
「小春の好きな顔であるならいいわ」
「どんな顔でもいいけどね!!」
「みんな大好き!!」
「誰1人嫌な人なんていないよ!」
「……そう、だな」
(そんな風に見られてたら)
(救われるに決まってんだろ)
⸻
「……なぁ、小春」
「……」
黙って、聞く。
「いや、今はいい」
「また今度聞いてくれや」
「……れんれんが話したい時」
「?」
「その時でいいよ」
「私、いつでも聞く」
「離れないよ」
静かな声。
優しい声。
「……すげぇな、マジで」
「何もすごくないよー!!」
「……一日だけ時間くれや」
「うん!!」
「じゃあ明後日!」
「れんれんのお話聞かせてね」
「おう」
「嫌になったら言ってね」
「自分の気持ち大事にしてね」
「私はれんれんの味方だよ!!」
「ずっと、ずーーっと!!」
「……うん」
⸻
ゆっくりと、
観覧車は頂上へ。
そして、
また少しずつ、
降りていく。
貴重なお時間ありがとうございました!




