第52話 玲奈ちゃんとお絵描きしたよ!
「玲奈ちゃん!!いらっしゃーい!!」
玄関に響く、明るい声。
「ふふ、お邪魔します」
「玲奈ちゃん、小春の我儘に付き合ってくれてありがとな」
「朝陽兄!気にしないでください」
「私が来たくて来てるんです」
「玲奈ちゃん!久しぶりー!」
「わあ、悠真君!」
「久しぶり、ふふ。同じ学校なのに全然会えないね」
「お兄ちゃんも悠真君も遊びに来てくれたらいいのにー」
「そりゃ俺だってさ」
「世界一可愛い小春に会いに行きたいさ」
ぎゅー
「でも俺らは受験生なのー」
「こうやって家で会えるしなー」
「んー」
ぎゅー
「お兄ちゃん苦しいよー!!」
「あはは!」
「相変わらず溺愛モードね」
「そうだね、2人はいつも仲良しさんだ」
「うん!お兄ちゃん大好き!!」
「小春!!俺も愛してるぞーー!!」
ぎゅー
「うひゃー!!重たーい!!あははー!」
「はいはい、イチャイチャ終了!」
「はーい」
「はーい」
ぴたりと離れる2人。
「……」
「まるでお母さんみたいだね」
「ちょっと、悠真君!」
「朝陽兄の方が年上なんだけど!?」
「私はこはちゃんの大親友!」
「ふふ、ごめんね。仲良しだからさ」
「悠真君も仲良しだよー!!」
ぎゅー
「もちろん、こはちゃんのこと大好きだよ」
優しく撫でる。
「むぅ、こはちゃん!私は!?」
「玲奈ちゃんがいちばーん!!」
ぎゅー
「ふふ」
「玲奈ちゃんヤキモチかー?」
「ち、違うから!!」
笑い声が広がる。
変わらない、いつもの空気。
⸻
小春の部屋。
「こはちゃんの部屋、変わらないわね」
「そうかなー??」
「……あっ」
机の上。
一本の、古びた鉛筆。
「これ」
「えへへ」
「大事な宝物だからねー」
「……大事な宝物」
玲奈はそっと、それに触れる。
「こはちゃんがそう言うなら」
「うん!!」
ぱっと笑う。
「玲奈ちゃんとの仲良くなれた瞬間!!」
「私にとっての、だーいじな思い出の鉛筆!!」
「うん、そうね」
「これがあったから仲良くなれた」
「うん!!」
「玲奈ちゃんは特別!」
「だいだいだーいすき!!」
「私もだーいすき!!」
ぎゅー
玲奈は、小春を見つめる。
(……こはちゃん、変わらない)
ほんの少しだけ、
目を細める。
⸻
「玲奈ちゃん!!これこれ!!」
「みてみてー!!」
「なーに?」
「じゃーん!!」
「わあ……」
「懐かしい」
「昔2人で描いた絵ね」
「うん!!」
「楽しかったなー!」
「今も楽しいけど!!」
「ふふ」
「何なら今から描く?」
「2人で」
「うん!!もちろん!!」
床に座り、
スケッチブックを広げる。
さらさら、と鉛筆の音。
笑い声。
無邪気な時間。
まるで、
あの頃に戻ったみたいに。
⸻
変わらないもの。
変わっていくもの。
そのどちらも、
ここには確かにあった。
貴重なお時間ありがとうございました!




