第45話 京都でいっぱい遊んだよ!
「旅行だ旅行だ!わーいわーい!!楽しいね、ひよりん!!」
バスの中。
小春の明るい声が響く。
「んぅ」
「だよねだよねー!!」
「さっすがひよりん!!わかってるなー!」
「ひよりんとも一緒に回りたかったよー」
「ざん、ねん」
「ねーー、そーだ!」
「今度遊びに行こうよ!!修学旅行よりも楽しんじゃお!!」
「すぅ」
「やったーー!約束だよ!!ひよりん」
「ぐぅ、すぅ」
こてん。
ひよりがそのまま小春の膝に倒れ込む。
「……あはは」
「ひよりんあったかいなーー」
ふわりとした声。
「なんだか、私まで……ふぁー」
大きなあくび。
さっきまでの元気はどこへやら。
「すぅ……すぴー」
バスの揺れの中。
二人は静かに眠りについた。
前の席。
蓮がちらりと振り返る。
「……」
小春とひより。
寄り添うように眠っている。
(子供みてーに寝てんな)
ふっと笑う。
(……やっぱ)
(世界一可愛い)
⸻
「うわーー!!京都だーー!!すごーい!!」
バスを降りた瞬間。
小春のテンションは最高潮だった。
「いや、何もまだ見てないが?」
「京都の空気感じてんじゃね」
「いえーい!どっから回る??」
「どこでもいいぜー!!」
「寺を制覇が効率的」
「ウケる、コンプしよ」
「よーーし!みんなで出動だーー!!」
「うおーー!行こーぜ!!」
「そっちじゃない」
「寺どこだよ??」
「場所知らずに走るの草」
「そーちゃん先頭で!!レッツゴー!!」
「歩きたい」
「だめだ!走るぞーー!!」
「逆だ逆」
「あれー!?」
「方向音痴ツッパ」
「あはは!なんとかなるなるー!!」
「まとまらない」
「無理ゲー」
蒼真は遠い目をした。
⸻
「お寺綺麗だったー!!」
「はぁ!!絵を描きたいけど自由行動終わっちゃうぅ!!」
「とーやんいたら写真頼めたんだけどなー!」
「下手でもよけりゃ撮ろっか??」
「ひーくん!カメラ持ってるの??」
「じゃーん!デジカメ!!」
「弟がくれたんだよ」
「わあ!!いいねいいね!!」
「撮って撮って!!」
「おっしゃー!任せとけ!」
パシャ、パシャ。
「んー、こんなもん?」
肩が触れる距離。
小春が覗き込む。
「わあ!!ひーくん上手!!」
「全然下手じゃないよ!!ありがとう!!」
「宿着いたら描いたら?」
「うん!そうする!!ありがとうー!!」
ぎゅー
「……っ!」
「ちょ、こはたん!!」
「周りが、見てっから!!」
観光客の視線が集まる。
「なんで見られてるのー??」
「公共イチャイチャ、注目」
「ええー??友情のハグだよーー!!」
「あっ!そーだー!」
ぎゅー
「ウケる、ウチらズッ友」
「いえーい!!ズッ友ーー!!」
きゃーきゃーとはしゃぐ二人。
「次行こ」
「淡々と進めすぎたろ!!」
⸻
「こはちー、サロペット変えよ」
「ええ!?動きやすくて好きなんだけどなーー」
「こはたんらしくていいんじゃね?」
「えへへ!ありがとうひーくん!!」
「動きやすさは重要」
「だよねだよねー!!」
「これお星様ついてて可愛いんだよー!」
くるくる回る。
「スカートの方が可愛くね?」
ぐいっ
「ええーー!?」
強制連行。
紫苑がちらりと男子を見る。
親指を立てる。
陽向は赤くなって目を逸らし、
蒼真は静かに頷いた。
「お待たせ」
「うぅ……ひらひら、ふわふわしてるー!!」
「落ち着かないよぉ!!」
「可愛い」
「え?そうかな!!」
「スカート似合う??」
「もち」
「うわーー!嬉しいな!!」
くるくる。
スカートがふわりと揺れる。
「パンツ見えるよ」
「大丈夫だよーー!」
「スパッツ履いてるよー!」
ひらひら
「ぐはっ」
陽向が倒れた。
「ええーー!?ひーくん!?大丈夫!?何が起きたのーー!?」
「草」
「救急車?」
「ベンチでおけ」
「了解」
ずるずる
ぽいっ
「テキトーすぎて草」
「水かけたら起きるかな!?」
「追い討ち」
「死ぬぞ?」
「ええ!?どーしよーー!!」
「待てばいい」
「あっ、そっか!!」
「単純」
⸻
「うぅ……すまねー、こはたん」
「いいよいいよ!大丈夫??」
「おう……刺激強かったわ」
遠い目。
「思春期ワロタ」
「やめてやれ」
「よくわかんないけど!」
「楽しもうー!!次行くぞーー!!」
「ウェーイ」
「それならここだ」
地図を指す蒼真。
「ええ!?どこどこ!?」
「あと2時間」
「こことここで、最後ここ」
「制覇」
「おお!!寺制覇しようぜ!!」
「コンプ勢」
「よーーし!!」
「みんな頑張ろーー!!」
「寺を制覇するぞーー!!」
京都の空の下。
笑い声が響く。
なんだかんだで、
みんな楽しんでいる。
そんな一日だった。
貴重なお時間ありがとうございました!




