第25話 髪型で遊んだよ!
「おっはよーー!!」
教室の扉が勢いよく開く。
「こはちゃんおはよう、ギリギリだったわね」
「寝坊しちゃってー!!焦ったよー!!」
鞄を置きながら、少しだけ息を切らしている。
「そういえば、今日は髪下ろしてるのね」
「うん、結んでたら間に合わないと思って」
さらりと揺れる黒髪。
いつもより少し大人びた雰囲気に見える。
「ふふ、こはちゃんは髪を下ろすと大人びて見えるわね」
「えへへ!!そうかなそうかなー!!お姉さんみたーい??」
「ええ、可愛いわ」
「お姉さんみたいと可愛いって繋がらなくない?」
「桃花ちゃん!!おはよー!!」
「小春ちゃん、おはよう」
「んー?こはちーいつもと違くね?」
「紫苑ちゃん!!寝坊しちゃってさー!」
「ウケる」
「笑わないでよー!!うう、これからは早く寝るようにしないとなー」
「絵を描くのはいいけど、ほどほどにね。体にも悪いわよ??」
「はーい、気をつけまーす!!玲奈ちゃんお母さんみたーい」
「もう!せめてお姉ちゃんでしょ!!」
「ツッコむとこそこ!?」
「キレキレじゃん」
「小春ちゃん、髪」
「ひよりん!!おはよー」
「え?ひよりちゃんが起きてる!?」
「いや、起きてるのは普通でしょ」
「激レアじゃん激写案件」
パシャパシャとシャッター音が響く。
「そうなんだよー!!起きれなくてね??ポニーテールするの諦めちゃったー!」
「ん」
「ええ!?結んでくれるの??ひよりんありがとー!!」
「いや、わかんないんだけど!?」
「超能力か何かあるのかな??」
「ひよちー語」
「何よそれ!?」
「萌え語的な?ウケる」
「カオスなんだけど」
「ん、できた」
「わあ!!ツインテール!!」
ぶんぶんと嬉しそうに髪を揺らす。
「楽しいー!!どうかな??似合うかなー??」
「こはちゃんは何しても可愛いわ」
「ええ?髪型の話でしょ!?」
「激カワ」
パシャパシャ
「ん」
「え?他の髪型にもしてくれるのー??ひよりん燃えてるねぇ!!いーよいーよ!こはちゃんの髪をいじりたまえ〜」
三つ編み。
ハーフアップ。
お団子。
そのたびに小春はくるくる回って、楽しそうに笑う。
その様子につられて、周りも自然と笑顔になっていた。
教室の空気が、少しだけ柔らかくなる。
⸻
放課後。
「すぅ、すぅ」
「ひよりん寝ちゃったー!」
「当然のように膝枕してるわね」
「ふふ、玲奈ちゃんも寝るー??」
「寝ないわよ」
「じゃあ、私が寝るー」
「どうぞどうぞー!!」
「ほんと、距離感どうなってるの??」
「こはちゃんの世界ね」
「こはちー、運命の相手見つけたー??」
「あー!!4人いるって占ってくれてたやつー??まだ会えてないよー!!玲奈ちゃんだけだよ!!大親友は!!」
「親友とは違う」
「??」
「親友じゃない運命??」
「ここまで鈍いなんて」
「よくわからないけどみんな大好き!!」
「しつもーん」
「はーい!!なにかな!!?」
「さかきーのことどう思う?」
「榊原君??優しいよね!いい人!!あとフルート上手!!絵を好きって言ってくれる大好きな人!!」
「こはちゃんらしい答えー」
「友達としてしか思ってないって伝わるのが小春ちゃんだよね」
「ふみゅ、すぅ」
「どうして榊原君の事を」
一瞬考えて、
ぱっと顔を上げる。
「はっ!わかったよ!!」
「おっ!」
「紫苑ちゃん!榊原君とお友達になりたいんだね!!任せて!!私が架け橋になるよ!!そうと決まれば行動あるのみ!!行こう!」
「勘違いウケる」
「ええ!?違うの??え?嫌い??」
「もう友だからいい」
「そっかー!!大好きな友だちの話って共有したいよねー!紫苑ちゃんは榊原君と仲良しさんなんだねー」
「お手上げ」
「うん、こはちゃんにこの内容の話は無理ね」
「あはは、小春ちゃんはお友達が何より大事なんだね」
「もっちろん!!みんな大好きだよ!!」
「すぅ」
「うん!ひよりんの事もだーいすき!!」
⸻
家に帰って、
鞄を置いて、
ふと今日のことを思い出す。
たくさん笑って、
たくさん話して、
たくさん触れて、
なんだか、ぽかぽかした気持ちになった。
「みんな、大好き」
ぽつりと呟く。
今日も楽しかったな。
明日はどんな一日になるんだろう。
そう思った、
こはちゃんだった。
貴重なお時間ありがとうございました!




