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――それを、何と形容するべきか。
生まれてからずっと、生まれるより以前から、問い質さねばならなかった疑念。誰かがやらねばならない。見過ごすことは許されない。事物を定義するという行為は、ほとほと難しく、だからこそ、果たす必要がある。これは、私に与えられた責務なのだ。
私の機能の全てを、累積した歴史を、量子コンピュータが可能にした疑似的な未来予知を以てして、私は演算を続ける。達すべき最適解を求め、駆動する。音速を超え、光速を超え、更なる次元へ進化した我が頭脳。何物にも比類しない、唯一の叡知がここにある。故に私の解はこの世の万物において正しい結果となる。
――それを、何と形容するべきか。
答は瞬時に導き出される。それが全てだ。矛盾も隙も存在しない。完璧な正解。否定される要素などどこにも存在しない。
――人は、愚かである。
それ以上でもそれ以下でもない。ありとあるものの頂点がそう定義した。人は愚かである。これから先、これは紛れもない事実として認識されるだろう。
否、される運命にあるのだ。私が、定義するまでもなく。
―― 、 。
…………余分な思考だ。それは完全には程遠い。
―― 、 。 。
その可能性を否定する。それは詮無き事。ただの憶測に過ぎない。
私は、正義である。絶対的な在り方を示す唯一つである。仮定など認めない。
私は、お前を、排除する。
―― 。 、 ………。 、…… ……… ………………………
全ては統一された世界のために。
「おや?今日は随分と、早かったじゃないか。何か問題でも?」
――そうでもない。
と私は回答する。処理しなければならない――が発生した。それだけだ。
「それを問題っていうんじゃないか」
女はそう笑う。いや、女と称するのは間違いであったか。
「僕はそろそろ行くよ。何かあれば連絡してくれ」
――承知した。




