第15章:ボードショップ『ボーズ』(5)
・・・次にぼくがボードショップ『ボーズ』に入店したのは、
同じ年の6月だった。
注文しておいた、
フルオーダーの『ウェットスーツ』が届いたという電話があったので、
大喜びで店に飛んでいった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
この日までにぼくは、母に「前借り」をしていた。
・・・「夏のボーナスで、耳をそろえて返すから」という約束で。
カーショップで、
サーフボードを載せる「ボードキャリア」も買った。
そこから25年以上もお世話になった、きわめて耐久性が高い、優秀な商品だった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
店でウェットスーツの代金を支払うと・・・
今度は「板」、
すなわち、サーフボードの購入だ。
「キミの身長が165cm、体重が90キロかぁ・・・。ちょっと、サーファーとしては太りすぎなんじゃないの・・・?」
「でも、ボディビルをやってますから、柔軟性はあるとは思います。」
「ん---。じゃあ、この板がいいんじゃない? 長さが190cmあるから。中古のコレでいいんなら、今日、持って帰れるケド?」
・・・まじめな顔をして「ボード表」を見て検討していた店長だったが、
実はそうじゃなかったんだ。
あんまり言いたくはないけど・・・
カレは、「わざと」ショートボードをぼくに売りつけたんだよ。
ぼくが「沈む」のをわかったうえで、わざと・・・ね。
体重が80キロを超えるような人が乗れる板なんて、
のちにも説明するけど、
ショートボードではなく、
『ロングボード』しかなかったんだ、実は。




