第14章:ボードショップ『ボーズ』(4)
「やあ、いらっしゃい。」
日焼けした、小柄な男性がぼくに話しかける。
「キミ・・・見たところ、まだサーファーじゃないね?」
いきなりのぶしつけな質問だ。
「はぁ。『まだ』サーファーじゃないっす。」
素直に答えるぼく。
「あのねぇ、言っとくけど、このスポーツは甘いモンじゃないよ。難しいよ。」
「ええ、難しいスポーツだってことは、素人のぼくでもわかってはいますけど・・・。」
「でも、サーフィンには興味あるんだ?」
「はい。ぜひチャレンジしてみたいです。」
「ボードだって安くはないぜ・・・? キミ、カネはあるの??」
・・・失礼な質問が続く。
きっと気が短い人なら、この時点で店をあとにしていることだろう。
「ええ、一応『公務員』ですから、それなりにはあります。」
「そうか・・・それなら、実際にやってみれば? 自分には向いてないスポーツだって、イヤでもカラダで理解できるからサ。」
ここまで言われてしまうと、ぼくも手ぶらで引き下がって帰宅するわけにはいかない。
何が何でも、この「サーフィン」ってスポーツを始めたくなっちゃったんだ。
「ぼく・・・やります! 絶対に『サーファー』になりたいです!!」
「そこまで決心がかたいなら、ぼくも『やめておけ』とは言えなくなったなぁ・・・。じゃあ、ウエットスーツの採寸してあげるから、こっちの更衣室においで。
板は、あとでいくらでも選べるからね。」




