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奥の方は一度暗くはなったが、ところどころ明るい場所に出た。天井から拡散性の光ではなく、ステージなどで使われるような直線的な光のせいで暗がりもちらほらとある。
「一人だけかな。まぁいい。止めたければ止めてみるがいいさ」
彼は来ることが分かっていたような口ぶりで話す。
「大したもてなしは出来ないが、ゆっくりしていくがいいさ」
暗がりから多くの気配がこちらに近づいてくる。
「まだいるの?」
「君たちが人喰いと呼ぶもののご先祖様だよ。その性能は一般のそれとは大きく異なるだろうけどね。人を噛むこともない。せいぜい嚙み殺すくらいだ」
話を聞きながらも一番近くにいた紫色の化けものを吹き飛ばす。
「化けものと思っているのであれば可哀そうだよ……もともとは君と同じく人だったのに」
「よくもぬけぬけとそんなこと言えるものね」
さらにもう一人と吹き飛ばす。
「もちろん、適合者もいる」
横から炎や水、雷などの多種多様な攻撃まで飛んでくる。避けることが出来そうな攻撃は回避することが出来たが、一部の攻撃はどうしても避けられない。
「くっ。痛いなぁ」
しかも、さっき吹っ飛ばしたはずの奴も帰ってきている。しかし、泣き言を言っている暇もない。次々と現れるご先祖様とやらを吹き飛ばしていくが、なかなか前に進めない。
「あぁー、うざったいっていったらありゃしない」
以前コンビニでやったように破裂するくらいの勢いで殴っているつもりだったが、吹き飛んでいく程度の威力しか出ず、それくらいであれば、少し経てば帰ってくる。
時間の感覚が分からないほどには長く戦っている気がするが私の体力が減るばかりで、敵の余力が減っている感じがしない。
「君は興味深いな。今まで多くの適合者を見てきたが、身体能力一点特化型で、ここまでの疲れ知らず、気づいていないかもしれにないが30分ほどは経っているよ」
道理で少し疲れてきたなと感じるわけだ、と頭では思いつつ近くにいる敵を殴る蹴るを繰り返す。ふとここで気づく。
「攻撃が通ってる?」
私も疲れて攻撃の精度や威力も落ちているはずだが、相手側の復帰が少し遅い。それに、傷跡も増えている気がする。再生しているような気がしていたが気のせいだったのか、再生力が落ちたのか。
何がともあれ、希望は見えてきた。
「うちのも大分傷んできたから、新しいのでも出そうかな。君への関心はあるんだが、とてもじゃないが拘束すら難しそうだから、数の暴力で対応しよう」
敵側に増援が来た。
「姉貴、大丈夫すか。遅れて申し訳ないっす」
こちらも増援が来た。




