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穴を開けたその下は階段になっていた。
とはいえ、私の視力で暗いと感じるくらいだから、他の人ではもっと暗いのだろう。
「暗いですね」
正直、スマホのライトだけでは心もとないと思っていると、
「俺が先頭を行く」
日暮さんが私の前に出る。乱暴な言い方ではあったがそういう言い方になってしまうのは何となくわかり始めていたので、大人しくしている。
すると、日暮さんの手から火の玉が生み出される。
「えぇと、酸素とか大丈夫なんですか」
火が燃えるのには酸素が必要で人が呼吸するには、酸素が必要。そしてこんな狭い通路であれば、必要な酸素が無くなるんじゃないかと考えたが返事はこうだった。
「そもそも、人体から炎が出るっていう時点でおかしな話だろ。それに、その辺は俺が酸素を使わないような火を意識すれば出せる」
とのこと。
「まぁ確かに常識は覆されてばっかりだからね」
「姉貴。酸素ってどういうことすか?」
…もう常識が通じない世界だから関係ないかと諦め、無言を貫き、前に進むことにすると金剛さんが教えてくれているらしい。
大分明るくなった階段はかなりの段数に思えた。実際に数えたわけでもないが数百段はあったように思う。途中で有希ちゃんとの回線が切れるようなことはあったがそれ以外は特になく、広いところに出た。
明かりも火をつけなくても見えるほどの照明もあったので、日暮さんの手にあった火の玉は消すことになった。
「なんだこれ?」
先に広い場所に出た日暮さんが疑問符を浮かべたのは、大きなガラスの容器――ホムンクルスなんかが入っていそうなものがたくさんあった。中身が入っているものもあれば、割れてしまっていたり、中身がないものがあった。
「なんていうか、気持ち悪いっすね」
一番最後に到着した八巻の感想は気持ち悪いだった。確かに、中身の人型の何かは少し気味が悪い。中を満たしている液体も色とりどりでその不気味さに拍車をかけている。
「動きださなければいいけど」
「あ、姉貴。知ってるっす。そういうのってフラグっていうらしいっす」
「大丈夫さ。今すぐには動かない」
私たち以外の言葉がその広場に響き渡った。




