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横断幕を取り外し、門を開けると開拓しようとしたとみられる痕跡がみられる。草がそこら中に生えているよりも低かったり、道のようになっていたりする。通り道として刈ってあったのだろう。
もはや獣道ともいえるのではないかとあろう道を進みながら、手元の携帯に話しかける。
「ドローンはダメだったのにスマホはいけるんですか?」
「どうやらそうみたい。なんでか分からないけど、つながっているからね。正直、電話が通じなかったら場所が分かったところでだったから助かったわ。そこまでの技術があれば、簡単な作業なんだけどね」
有希ちゃんはそれと、と続ける。
「敬語やめてくれない?何かあったときに困るし、大体あなたの方が年上でしょ。私、八巻とそんなに年齢変わらないし。それにまだ何も出来ていないし…」
最後の方は少し元気がなさそうだった。さっきのことを気にしているのだろうか。
「私からもお願いしとくよ。姉が出来たみたいに喜んでいるっぽいから」
黒田さんに小声で教えられれば、有希ちゃんが可愛く思えてきた。これが天邪鬼か、と思いながら返事を返す。
「分かった。何もしてないってこともないし、これからもよろしくね」
そんな感じで歩みを進めていると、
「「ここだね(っす)」」
片方がここだというところはいくつかあったが二人ともが示したのは今回が初めてだった。
指を指したのは建設しようとしていたであろう跡地にあった建設素材の一部。そこに吸盤を取り付ける。
「それよ。わずかにしかオンライン接続されていないけど、逆探知できるわ」
さっきまで勘でおいてきたのは既に事切れているカメラだったり、電源の入っていないものだったりと少しばかり使えないものばかりだった。
「とりあえず細かいところはまだだけど方向はあっているわ。詳しい場所はもう少し時間を頂戴」
「姉御、どうすか。褒めてほしいっす」
「あぁー凄い凄い。よくやったわね」
毎回毎回、何かあるたびに八巻がねだってくるので対応も雑になっているがうれしそうな表情はしているのでいいのだろう。
「仲がいいんだな」
遠巻きに見ていた日暮さんが声をかけてくる。うるさかったかなと少し思ったが、顔を見ている感じはそういう感じはしなかった。
「多分、コンビニの時やこの町に入ったときのことのギャップに戸惑っているんだよ」
「るせぇ。また、全部わかっているようなフリしやがって。単純にこんな世界になって、和気藹々とした雰囲気を出すことが、その…いいと思っただけだ」
この人はこの人で素直ではない一面が多そうだと思いながらも少し安心する。正直怖いだけの人だと思っていたから。
「っと、あぶなぁ」
道なき道を歩いているのでたまに木の根などに引っかかることも多い。歩きづらくて、木の上でも渡った方が楽なんじゃいかと思い始めたとき、
「姉御、さっき姉御が引っかかったところがなんか金属製っすよ」
いらんことは言わなくていい。と思いながら、さっきの引っかかったところに行くと確かに金属製の扉みたいになっている。
「扉にしては取っ手がないね。何か外部入力とかが必要なのかな?」
「それなら私にまかせなさ…」
有希ちゃんが何か言ったようだったが私は行動を起こしてしまっていた。
単純に扉を殴る。ドズンッと鈍い音がへこむ。
「能筋かよ」
何か言われたようだったが気にせず、二発目の拳。
へこんだところにもう一度当たると、今度は扉だった部分は落下していき、大きな穴が開いた。
「さすが姉貴っす」
「私の出番だと思ったのに…」
有希ちゃんがとても残念そうにしていた。
「あ、ごめん。で、でもこれからもきっと役に立つことがあるよ」
自分で潰しておいていうセリフではないかと思いながら、誠意を込めて謝る。
とにかく、道は開けた。




