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頭がはじけた人喰いはそのまま倒れ込むと、隣の男も私に気づく。
「あ、ありが…」
だが、私の血にまみれた握りこぶしを見たせいなのだろう。
「ひぃ。バケモノ」
反射的に口からこぼれてしまったのだろうが出た言葉はもう引っ込めない。しかし、その言葉はしっくりと来てしまうほど、実感していた。
「い、いや済まない」
慌てて謝罪の言葉を言える当たり、マシな部類なのだろうなと少し適当な感想を抱きながらも私の興味は既に次の相手に移っていた。
手当たり次第に目に見えて、出来るだけ劣勢な場所へと駆け付け、人喰いを絶命させていく。
両の手ほど倒せば、駐車場での見える奴らは既に見えなくなる。
「あと中にいるんだ。助けてはくれないか。都合のいいこと言っているのは分かる。市民会館を出ていったのも俺たちだし、無茶な調達に出たのも俺たちが悪かった。でも頼む、助けてくれ」
最初に助けた男の必死の懇願はもはや最初の段階で決意は決めていた。
乱雑に入口を塞いでいる人喰いを放り投げ、順々に中へ入る。中は彼らの持ってきた明かりが見えるが全体を照らすほどではない。
しかし、適合者としての能力は五感の強化も含まれている。多少の暗さでもまるで昼間くらいの明るさにしか見えない。
「来るな。来るんじゃねぇ」
コンビニの奥の隅でこの間のリーダーらしい人が後ろの何人かをかばうようにして燃えているものを振り回している。
よく見ると、彼の手のひらには火の玉のようなものが浮いていて、一番近くにいる人喰いに投げるようにして牽制している。
私も近くによるとともに襟首をつかんで一人目を窓ガラスへと投げつける。
二人目は入り口で拝借しておいたビニール傘で横殴りにする。私も学習するのだ。自分の手が汚くなるだけだと。
三人目と四人目は頭を同時に掴み、ぶつける。
私が来たことで男も余裕が出来たのか、一人二人と倒していた。
多分恐らくきっと、襲ってこれるような状態の人喰いはいないであろうことを確認し、男たちに声をかける。
「大丈夫ですか?」
「あぁ。ありがとう。…ほかのやつらはどうなった?」
心配そうに仲間のことを慮るように彼はそう尋ねる。
「全員ではないですが、おおよそは無事だと思います」
正直なところ全員は助かっていない。到着したときにはこと切れていた人もいれば、噛まれたことで人喰いに変貌している可能性もある。
そうか。とポツリこぼした後、後ろにかばっていた人たちを動くように促す。私も何か食べることのできそうなものがないかと少し物色しながら外に向かう。
とはいえ、さすがにめぼしいものもないので代わりに先ほどのようにビニール傘を拝借して、コンビニを出ることにした。




