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次の日の朝、私は黒田さんに一つの決心を打ち明けようとしていた。
「私も連れて行ってください」
開口一番に黒田さんにそう言った。
「…まずは未来ちゃんの能力も知りたいし、今日の食料調達に同行してもらってからになるけどそれで構わないなら考えてみよう」
「驚かないんですね」
驚くどころかまるで分かっていたような口ぶりで返され、逆にこちらが驚くこととなる。
「いや、驚いているよ。私の勘はよく当たる方なんだけど、まさか君が行くかもしれないと思ったことも当たるとはね。それに、今日の調達作業自体は同行してもらう予定だったよ」
このことは両親には話していない。反対されることも分かっているし、私のこの意思は世界を救いたいみたいな英雄願望とは違う。もっと単純で簡単な理由。
男が元凶だったと分かった瞬間にこの男を殺したいと明確な殺意が生まれていた。あまりに現実離れをしているその感情に最初は実感できなかったが映像での男のこの事件への興味のなさを感じると実感も湧く。
「調達のメンバーは未来ちゃんを含めて10数人ていうところだと思うけど、実際には数人の班に分かれて活動してもらう感じかな」
今回は規模の小さいところをいくつか回るのと民家の方も少し触るらしい。もうコンビニや大型ショッピングモールは大半のものがなくなっているとのこと。だから、もうこの数日は少数メンバーによる小規模調達を始めたらしい。
「と、ちょうどいいところにいるね。八巻、金剛。ちょっとこっち来てもらえるか」
呼ばれた二人がこちらに来る。
片方は若い。私と同じくらい。そんな年齢でも組に所属しているのだろうか。と思ったが、私のように適合者で志願したのだろう。
「八巻っす。よろしくっす。未来さんですよね。多分同じくらいだと思うので仲良く出来たらうれしいっす」
時折見せる八重歯や口調から少しわんぱくな印象だったが悪い人ではないのが良く分かる。
「金剛だ。よろしく」
スキンヘッドの男はいかにもというガタイに、ところどころに見える傷が余計に怖い印象を与える。
「こう見えてよく笑うし、いい人っすよ」
八巻さんが補足のように金剛のいいところを述べるが中々怖い印象は拭えない。
「この二人と君、そして私の4人で一区画分を担当する予定だね。ここまでで質問はあるかな」
特にないと首を振る。
「それじゃ、もう少ししたら行こうかな。他のグループにも伝えておいてくれ」
また後でとひらりと手を振り、3人は組員であろう人の集まっている方へ向かっていった。
私もこの決意を両親に伝えなければと回れ右をするのだった。




