第96話『極上アイスの誕生』
王都グランドールへと無事帰還した『クローバー』の五人は、さっそく宿屋の厨房に集まっていた。
「さあ、みんな。『黒鉄の連峰』で手に入れた『氷晶ミツカキ』の出番だ」
啓太が大きなガラス容器を取り出す。その中には、細かく砕いた氷晶ミツカキと、濃厚なコカトリスの極上ミルク、砂糖、そして隠し味のバニラ風味の魔導ハーブをブレンドした特製液が満たされていた。
「氷点下でも凍りつかず、とろりとした滑らかさを保つ……。これを魔導冷却箱でじっくり冷やしながら練り上げると――」
啓太が木べらで丁寧に空気を含ませるように混ぜ合わせる。やがて、白く輝くフワフワのクリーム状の塊が完成した。
「ふぁぁぁ……! 白くて、お雪みたいにキレイですぅ〜〜っ!」
リーネが目を輝かせて器を覗き込む。
「仕上げに、果肉を添えて……元コンビニ店長の秋の新作、『極上氷晶パフェ』の完成だ」
木のスプーンを添えて五人に配ると、まずシルフィが口へと運んだ。
「んん〜〜〜っ!! なにこれ、すっごく冷たくて……お口の中でシュワッと溶けていくよ! ミルクの甘みとミツカキのシャリシャリ感が最高!」
「うまァぁぁいッ! 寒さで冷やすのとは違う、体の芯まで届く上品な冷たさだ! 冒険の後に食ったら飛ぶぞコレ!」
ルナがスプーンを止めることなく一気に平らげ、ダグラスも豪快に笑いながら深く頷いた。
「手軽で、誰もが笑顔になれる至高のスイーツ。……よし、異世界初の『コンビニ』開店に向けて、本格的に動くぞ!」
「「「おおーッ!!」」」
新商品の完成に、五人のモチベーションは最高潮に達したのだった。




