第90話『帰還と新たな名声』
『竜の穴』の発生源討伐を遂げた『クローバー』の五人は、地下迷宮の冷気から解き放たれ、夕陽に染まる王立都市グランドールへと戻ってきた。
重厚な本部ギルドの扉を開けると、そこはいつにも増して大勢の冒険者たちで賑わっていた。
「おい、見ろ……あいつらだ!」
「『竜の穴』の異常発生源を、たった一個パーティーで潰してきたっていう……!」
受付カウンターへ向かう啓太たちの背中に、驚きと敬意の混ざった視線が突き刺さる。
「皆様、本当にお見事でした! 討伐の確認が取れましたわ!」
受付の女性職員が、輝くような笑顔で受領書にサインを交わした。
「王都近郊の流通を脅かしていた大発生源の討伐……この功績は計り知れません。ギルド本部より、特別報奨金として金貨五十枚を授与いたします!」
「き、金貨五十枚……ッ!? ふぁぁぁ〜〜っ! 一生分のお菓子が買えちゃいますぅ〜〜っ!」
リーネが長耳をピンと立てて大はしゃぎし、周りの冒険者たちからも「うおぉぉぉっ!」「マジかよ!」とどよめきが上がった。
「ハハッ! 一文無しで店長に集かってたあの頃のあたいに見せてやりたいぜ!」
ルナが豪快に笑い、ダグラスも誇らしげに胸を叩いた。
「なに、啓太の的確な『看破』と、俺たちの『豪腕』、そして後衛の『疾風炎撃』が見事に噛み合った結果だ! なあ、啓太!」
「ああ。みんなの力のおかげだよ」
啓太が苦笑しつつ頷くと、シルフィが隣で嬉しそうに目を細めた。
「ケイタの作戦とみんなの連携があれば、どんな強い魔物だって怖くないね!」
その夜、グランドールで一番の活気を誇る酒場で、五人の盛大な祝勝会が催された。
「それじゃあ――『竜の穴』発生源討伐と、今後の『クローバー』の発展を祈って、乾杯!」
「「「乾杯ッ!! / 乾杯ですぅ!」」」
カチャン!と派手にグラスが打ち鳴らされる。
「店長! 今夜はあたいの奢り……と言いたいところだが、報奨金山分けだから実質みんなの金だな! ガンガン飲んで食おうぜ!」
「ふふ、ルナったら。でも本当に美味しいね、このお肉!」
運ばれてくる豪華な料理を前に、宴は最高潮に達した。
元コンビニ店長としての管理能力と【強運】、そして弱点を射抜く『看破』。
最強の仲間たちとともに試練を乗り越え、『クローバー』の名声は王都グランドール全体へと轟き渡ろうとしていた。
「よし……次はどんな危険な依頼でもかかってこい! 俺たちの連携を見せてやろうぜ!」
「「「おおーっ!!」」」
弾けるような笑い声と熱気の中、五人の絆は新天地でより一層深く、強固に結ばれていくのだった。




