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第54話『「店長、これ商品化しようぜ!」』


 黄金色に揚がった『バードタケのフライドチキン』が、竹皿の上に山盛りに並べられた。

「あつあつのうちに食べてくれ」

「い、いただきますぅ……!」

 リーネが恐る恐る、揚げたてのキノコチキンをガブリと噛みちぎる。

 サクッ……!!

 静かな洞窟に、心地よい軽やかな咀嚼音が響いた。

次の瞬間、リーネの目がこぼれ落ちそうなほど見開かれた。

「ふぁっ……!? サックサクですぅ! サクサクなのに、中からアツアツのジューシーなお肉(肉汁)がじゅわ〜〜って溢れてきますぅぅぅ〜〜ッ!?」

「な、なんだって……!? あたしにも食べさせて!」

 シルフィも一口かぶりつく。

「んん〜〜〜っ!! おいしいっ! クセが全部スパイシーな旨味に変わってる! 外はカリッとしてて、中はぷりっぷりの高級鳥肉みたいだよ!!」

「あたいにも食わせろッ! ……もぐ。っ……あぁぁぁ美味ぇぇぇ!! なんだこれ、酒が欲しくなる! 永遠に食えるぞ!!」

 ルナが勢いよく二個目を口に放り込み、ハフハフと熱がりながら歓喜の声を上げた。

「クセの強いキノコも、濃い目のスパイシーな下味と揚げ衣で閉じ込めれば、最高のホットスナックになるんだよ」

 啓太がニヤリと笑う。

かつてコンビニのレジ横で数々の客を虜にしてきたホットスナックのノウハウは、異世界のダンジョンでも遺憾なく発揮されていた。

「これ、持ち運びも簡単だし、冷めても美味い。ダンジョン攻略の合間の手軽な栄養補給にぴったりだろ?」

「ぴったりどころじゃないよッ!!」

 ルナが啓太の肩をガシッと掴み、ギラギラとした勝負師の目で詰め寄ってきた。

「店長! これ王都のギルド前で売ろうぜ! 金貨の山ができるぞ!? あたいが売り子やってやるからさッ! これ商品化しようぜ!!」

「ふふ、まあ無事にダンジョンを攻略して無事に帰れたらな」

「「「絶対成功させましょう! / させようね! / おうッ!」」」

 絶品ホットスナックで魔力とスタミナを100%チャージした『クローバー』の四人。

元コンビニ店長の手軽で美味い食の魔法とともに、彼らはさらに深い『竜の穴』の深層へと、元気いっぱいに突き進んでいくのだった――!

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