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第53話『激レア魔導食材を発見!』


 第十層の広大な大空洞。

 手強い中堅魔物『スパイクバイパー』の群れをあっけなく退治した直後、啓太の【強運】が発動した。

「ん……? あの岩の影、何か生えてるな」

 啓太が近寄ると、怪しく赤い光を放つ大きな鳥の羽のようなキノコが群生していた。

「ああっ!? ケイタ、それ触っちゃダメだよ! ダンジョン三大奇食と呼ばれる『バードタケ』だよ!」

 シルフィが慌てて声を上げる。

「バードタケ……?」

「そうだよ! 噛むとジューシーで鳥肉みたいな味がするんだけど、皮が硬いうえに独特のクセが強すぎて、誰もまともに料理できない捨て食材なんだから!」

「へぇ……『噛むと鳥肉の味がするキノコ』か……」

 啓太は元コンビニ店長の血が騒ぐのを感じた。

独自の仕入れルート(自力採取)で手に入る、安くて旨味の強い食材。これを工夫して「バカ売れ商品」に変えることこそ、コンビニ店長の真骨頂だ。

「よし、全部回収しよう」

「えぇぇぇ!? ケイタさん、本気ですかぁ〜〜!?」

「まあ見てろって。クセが強い食材ほど、調理法(加工)次第で化けるんだ」

 啓太はバードタケを大量に採取すると、岩陰の安全エリアで迅速に野営の準備を始めた。

「シルフィ、塩と胡椒を頼む。リーネは火の調整。ルナは衣(粉)の準備だ」

「衣……? 店長、一体何を作る気だ?」

 啓太はバードタケの硬い皮を剥ぎ取り、特製のスパイスとニンニク風味の魔導醤油で下味をつける。そこに細かく砕いた乾燥パン粉と小麦粉をまぶし、熱した魔導オイルの中へ一気に投入した。

 ジュワワワワワァァァッ……!!

 大空洞に、猛烈に食欲をそそる香ばしい揚げる音が響き渡る。

「っ……!? な、なにこの犯罪的な匂いは……ッ!?」

 ルナが鼻をヒクヒクさせ、喉を鳴らした。

「フフフ……元コンビニ店長が誇る、レジ横の王者――『異世界からあげ(フライドチキン)』の完成だ!」

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