第52話『巨大ダンジョン「竜の穴」』
Cランク冒険者となった『クローバー』が足を踏み入れたのは、王都グランドール最大のダンジョン――『竜の穴』だった。
すり鉢状に広がる巨大な縦穴洞窟。
無数の通路が網の目のように交差し、中層以下には手強い魔物と、高値で取引される激レアな魔導植物や鉱石が眠っている。
「うわぁ……! フォレストピアの迷宮とはスケールが段違いだね!」
シルフィが感嘆の声を上げ、精霊弓の弦を確かめる。
「ふぁぁぁ……! 湿気がすごくて、なんだか探検!って感じですぅ〜!」
リーネも長耳をぴくぴくと揺らし、興奮気味に杖を抱きしめていた。
「おいおい、気を引き締めろよ? ここは中層から急に魔物のランクが跳ね上がるって話だ。油断するとあたいのダイスを振る暇もなく全滅だぞ」
ルナがローブの裾を整えながら、勝負師らしい鋭い視線を奥へと向ける。
「ルナの言う通りだ。だが、事前のオペレーション通りにいけば問題ない」
啓太は元コンビニ店長らしい手際の良さで、三人に手製の小袋を配った。
「これは……?」
「『即席ポーションドロップ』だ。以前開発したスティックバーのノウハウを応用して、回復ポーションの成分を糖分で固めて飴にした。口に含むだけで移動しながら微量の魔力と体力を持続回復できる」
「口の中で溶かすだけ……!? ポーション独特のエグみもなくて、イチゴみたいで甘くて美味しいですぅ〜!」
「これなら戦闘中でも片手(片口)で補給できるな! 店長、相変わらず手軽で便利なアイテム作る天才かよ!」
ルナが感心したように飴を舐める。
「商品の『携帯性』と『手軽さ』は店舗経営の基本だからな。……よし、まずは第十層の目標地点までサクサク攻略していくぞ!」
「「「おうッ! / はいっ!」」」
前衛の啓太、中距離のシルフィ、広域爆薬のリーネ、そして確定バフ・ヒーラーのルナ。
啓太が構築した「過密ダンジョン用オペレーション(役割分担)」と【強運】の噛み合いにより、一行は他のパーティーが苦戦する階層




